日々是劇評

関東圏内で観劇した舞台について率直に感想を書いています。
自分用の備忘録みたいなもんなんで遠慮なく辛口な批評もしています。

絞り込み 団体=「劇団お座敷コブラ」

劇団お座敷コブラ 10畳半公演 「マカロニ」  @神奈川県立青少年センター 多目的プラザ 2013/04/25
劇団お座敷コブラ 10畳目公演 「&1night」  @ラゾーナ川崎プラザソル 2012/12/04

※本文中に激しくネタバレ含みます!
 上演中の公演についてこれから観劇予定の方は閲覧ご遠慮ください。


劇団お座敷コブラ 10畳半公演
「マカロニ」

2013/04/25更新  ≪神奈川県立青少年センター 多目的プラザ≫ ≪劇団お座敷コブラ≫ ≪2013/04

劇団お座敷コブラ 10畳半公演 「マカロニ」

劇団お座敷コブラ 10畳半公演 「マカロニ」

【脚本・演出】
伊藤裕一

【キャスト】
瀬尾卓也(富良野GROUP)、佐藤李発、伊藤裕一、林潔、残間統、
北貴志、藤宮潤、中田豪一、中井剛志、渡辺克己(アクセント)、

・rossoキャスト
梶沼萌花(PKP)、藤本貴行(劇団扉座)、村川加苗、和世レオ 

・biancoキャスト
佐藤みつよ(劇団夢幻)、本田和大、岡本広毅(ガソリーナ)、有戸麻 

【日程】
2013年4月17日(水)〜21日(日)

【場所】
神奈川県立青少年センター多目的プラザ 

【チケット】
前売 3,000円
当日 3,200円
学生 500円

【公式HP】
http://ozashikikobura.jimdo.com/

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とあるイタリア料理店。
かつては人気のある有名店だったが、先代が亡くなってからは業績は右肩下がり、
どんどん客足は遠のいていって従業員もたった5人に減ってしまった。

先代の娘であるえりは、なんとかお店を守っていこうと奮闘するが、
肝心の料理長はやる気なし、腕利きは料理が作れない病気。
さらに新人は引き抜かれてしまって、
ついにはお向かいにあるライバル店にお店を買収される話まで。
絶体絶命のピンチ。

そこにレシピを盗みにきた産業マフィアが登場。
彼らの暴力でレシピと命を脅かされるが、
ライバル店のシェフが記憶喪失から目覚めて産業マフィアを撃退。
実は彼はヨーロッパを牛耳る超有名マフィアだった。

ライバル店と和解し、料理長の情熱も戻ってきて、お店は前を見て歩み出す。
ハッピーエンド。


ってな感じのストーリー。
90分前後のドタバタコメディー芝居だった。


全体的に面白くはあるのだが・・・
うーん、ネタが面白いだけって感じだった。
話の筋がちょっと。。。

ストーリーがいくらなんでも雑では?
比較的序盤は物語の導入としてしっかり描かれているのだが、
中盤で味の番人とか、勘違いスパイ2人組とかが現れたあたりから、
急に展開が強引になって、見ていてモヤッとすることが多くて気持ち悪かった。
っていうか、彼らのストーリー上での役割っていったい・・・?
正直なところ「この話に要るのこの役?」ってのが本音。


主要人物の描写の仕方も非常に気になったなぁ。

主役である料理長は「ずーっと仕事しない、なのに偉そう」っていう嫌キャラのままで進行し、
ラストのラストに名ゼリで「実はこんな事情でした」って全部一気に説明。
ちょっと構成的にそれは陳腐過ぎるのではないだろうか。
お客に人間性と深層心情を理解してもらう作業が抜けているので、
最後にとってつけたように良いセリフをしゃべっても、イマイチ共感ができないのだ。

あと引き抜かれる新人に関するエピソードもそう。
新人本人、一番ショックであろう料理長、まわりのメンバーそれぞれの心情描写が非常に少なく、
最後ハッピーエンドで無事に店に戻ってきたときには、
「なんだこの調子のいいヤローは」という印象しか持てなかった。
もったいない・・・。
良いシーンなんだから共感させてよ!(笑)


あと全体的に遊び心満載で、アドリブ部分が多くみられたのだが、
これはできる人だけにやってほしかった。
こういうネタは「役者本人としての魅力がお客に認められた人」がやって初めてウケる。
オカマソムリエ役の人などはそういう素養を持っていたが、
スパイの2人組のシーンなんかはこちらが恥ずかしくなるぐらいに辛かった。


ただ全体的に話のテンポは良く、オープニングダンスや、
忙しいランチタイムの描写などは非常に良くできていると思った。
カーテンコールを兼ねたエンディングの「はじめてのチュウ」は
非常にほほえましてくて、観終わった後に何かしら元気がもらえたのは確か。
そう感じたお客が多かったからこそ、あれだけ終演後の拍手が大きかったのであろう。

何度も再演している脚本らしいが、
個人的には無駄な脂身をもっとそぎ落として、
もっとあるべき奥行きを深めて大改編された姿を見てみたいと思った。


 


劇団お座敷コブラ 10畳目公演
「&1night」

2012/12/04更新  ≪ラゾーナ川崎プラザソル≫ ≪劇団お座敷コブラ≫ ≪2012/12

劇団お座敷コブラ 10畳目公演 「&1night」

劇団お座敷コブラ 10畳目公演 「&1night」

【作・演出】
伊藤裕一

【キャスト】
古林一誠、佐藤李発、伊藤裕一、海野亮平、梅澤裕介、岡崎涼子(HIME企画)、
金崎匠(演劇ユニットパラレロニズム)、小林千紘(劇団アニマル王子)、
佐藤みつよ(劇団夢幻)、残間統、四條友起子、関口空子、早乙女敬良
土許麻衣(ワタナベエンターテイメントカレッジ)、中井剛志、中田豪一、
橋本我矛威(子供脳みそ)、林充晃(流星揚羽)、藤宮潤(B-Box)、
MORIZOU、山田せいら(優企画)

【日替わりゲスト】
佐藤朱(青ニプロダクション)、芝井美香(スターダス21)、堀達治

【日程】
2012年11月28日(水)〜12月2日(日)

【場所】
ラゾーナ川崎プラザソル

【チケット】
前売 3,000円
当日 3,500円
全席自由席

【公式HP】
お座敷コブラ公式HP

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過去に幼馴染を失ってしまった悲しみで眠れない体になってしまったアラジン。
悪行にも心が痛まないぐらいにその性格はひねくれてしまっていた。

陰謀で心身を狂わされてしまった王、
その陰謀を持って国家の転覆を狙う側近と科学者、
元盗賊の親衛隊とそのかつての仲間だった盗賊たち、
遠方から帰国してきた王の弟で世界を股に掛けるシンドバット、
偶然にもランプの中から呼び出されたランプの魔人、
様々なキャラクターが織り成すファンタジー活劇。

王の側近の魔の手から姫を守るために
アラジン、ランプの魔人、親衛隊、盗賊、シンドバッドが結託して戦っていく。

いつも以上にざっくりとしたあらすじ紹介でなんだかアレだが、
非常に人間関係が複雑に組み立てられていたお話だったもので。
具体的なあらすじは書いていたらキリがない(笑)

まぁ、いつものお座敷コブラといった感じで、
ファンタジー色満載の冒険活劇って雰囲気のお芝居だった。
笑いあり涙ありダンスありアクションありのテンションの高いお芝居。

冒頭のオープニングシーンの作りなどは流石の一言で、
センスのいいハイテンポの曲の中で大人数がめまぐるしく入り乱れるシーンは
観ていると否が応でもテンションが高まる。
このあたりの構成の仕方はこの劇団は本当にうまい。

ただその後しばらくはあまり魅力的な役者が出てこないため
正直言って失速感はいなめなかった。
ランプの魔人やシンドバッドが出てくるまではちょっとタルかったなぁ。
彼らが出てきてからは一気にシーンの密度が上がって面白くなっていったけども。


ストーリー的には側近の陰謀とか、
袂を分けて敵同士になってしまったかつての仲間とか、
とにかく終始ベタで王道な展開。
それが別に悪いわけではないが、オリジナリティーのあるドキッとさせる要素が
もうちょっとあると良かったかなとは思う。

死なせるなって願い事で本当に死ねなくなって現代まで生きちゃうとか、
「ダブリンの鐘つきカビ人間」そのまんまだしね。
全体的にどこかで観たことあるお話の詰め合わせ感が強かったなぁ。


あと個人的に日替わりゲストの使い方がビミョーかなと。
どういう意図でラストの編集者ポジションに配置したのかがわからなかった。
ゲストを期待してきたお客にとってはボリュームの面で期待ハズレだろうし。
ストーリーテラー的なことをさせたいなら序盤でも出番を与えてもよかったのでは?


全体的にちゃんとまとまっているし、地力も高い劇団。
ただしここ最近の作品は大体観ている自分としては、
ちょっと去年ぐらいから停滞気味な気がする。

爆発的な飛躍を期待したい。


 

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