<更新記録>
劇団SSP 「Up With Future 〜Synchronizer〜」 @日暮里 d-倉庫 2014/02/26
劇団PEOPLE PURPLE 「サヨナラの物語」 @新宿シアターモリエール 2014/01/26
MS2 「ダイヤモンドダスト・ドリーム」 @中野ザ・ポケット 2014/01/07
セブンスキャッスル 「人狼 ザ・ライブプレイングシアター #08:MISSION The Castle Job」 @上野ストアハウス 2013/12/30
9-States 「それなりにハッピー」 @下北沢 OFF・OFFシアター 2013/12/27
梅パン 「いなづま」 @池袋シアターグリーン BASE THEATER 2013/12/23
ネコ脱出 「人生快速」 @下北沢 「劇」小劇場 2013/12/22
メガロザ 「靴下にカミソリ」 @新宿タイニイアリス 2013/12/20
※本文中に激しくネタバレ含みます!
上演中の公演についてこれから観劇予定の方は閲覧ご遠慮ください。
劇団扉座第52回公演
「つか版・忠臣蔵 スカイツリー篇 Returns」
2013/02/28更新 ≪すみだパークスタジオ≫ ≪劇団扉座≫ ≪2013/02≫
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劇団扉座第52回公演 「つか版・忠臣蔵 スカイツリー篇 Returns」 【原作】 つかこうへい 【脚本・演出】 横内謙介 【キャスト】 山本亨、武田義晴、掛札拓郎、岡森諦、中原三千代、伴美奈子、犬飼淳治、 高橋麻理、累央、鈴木利典、上原健太、川西佑佳、江原由夏、上土井敦、 新原武、串間保彦、藤本貴行、江花実里、吉田有希、松本亮、松原海児、 高嶋綾香、野田翔太、比嘉奈津子、酒寄拓、久保田芽衣、 【日程】 2013年 2月19日(火)〜3月3日(日) 【会場】 すみだパークスタジオ 【チケット料金】 前売券 3000円 当日券 3500円 学生券 2500円 墨田区民割引 前売2500円/当日3000円 【公式ホームページ】 http://www.tobiraza.co.jp/ ================================== 故・つかこうへいの名作を扉座の横内謙介が再構築。 つか作品の常連であった山本亨や武田義晴を客演に迎えて つかこうへいをオマージュしつつも独自の作品を作り上げている。 物語は主人公・宝井其角が近松門左衛門に出会うところから。 自分で裏工作を仕組んで民衆を操り事件を起こし、 それをいち早く舞台化することによって話題をかっさらおうという 提案を近松から受けて、それを引き受ける其角。 其角が事を大きくするのは松の廊下での刃傷沙汰事件。 吉良上野介が寛大なために大した事件として騒がれていなかったその事件を、 うまく騒ぎ立てて吉良上野介を仇討つべき敵に仕立て、 皆に討ち入りを起こすように促す。 しかしそのはずが、実は浅井内匠頭の妻の阿久利は其角の元恋人。 内匠頭の切腹後、赤穂の土地と民を守ろうと必死に奔走する阿久利。 しかし其角の筋書き通りに討ち入りが起これば赤穂は滅びる。 赤穂の為に自分の身を犠牲にして変態公家に嫁に行く阿久利。 赤穂の事よりも阿久利のためにそれを阻止したい其角と赤穂浪士達。 阿久利に忠誠を誓うが故にその行動を止められない大石内蔵介。 いろんな思いが交錯する中で、藩士達の決意表明や大石説得が行われ、 ついには討ち入りが決行、阿久利の奪還に成功する。 しかしそこで其角を待っていた結末は・・・。 といった感じのお話。 人間関係が複雑な話だとあらすじって書きづらい(汗) 松任谷由実「リフレインが叫んでる」を主題歌として起用し、 ド派手な照明と爆音の音響効果、激しいマイクパフォーマンス、 早口でまくし立てながらも客席に面を切ってしゃべる役者の演技スタイル。 全てがつかこうへいをリスペクトして作られているなという印象を受けた。 役者は皆汗だくのツバ飛ばしまくりで怒涛のテンション(笑) そのクオリティはもうさすがとしかいいようがない。 面白い脚本、考え抜かれた演出、実力のある役者、これらを全て揃えれば ここまで見事な芝居ができるんだよというお手本のような作品。 其角と近松の長ゼリフの掛け合いは見事だし、 吉良上野介のテンションの起伏が激しい怪演は笑わずにはいられないし、 何より赤穂藩士たちそれぞれの泥臭い生き様が美しくてしかたない。 そんな魅力ある人々が各々の決意で立ち上がり、討ち入りに臨む。 そこで「リフレインが叫んでる」がかかったときには鳥肌が立った。 これからしばらくはこの曲を耳にするたびに 「・・・!」って感傷的な想いになってしまいそうだ(笑) また随所随所でみられる、他のつか作品オマージュも良かった。 座っている人間を花束で殴りつける(熱海殺人事件のワンシーン)など、 思わずニヤリとなってしまう仕掛けが多数。 ホント、ずるい演出だよ(笑) 観劇後にこれほど満足感と充実感が残った芝居は久しぶりかもしれない。 「ほんとにこれチケット代3000円でいいの?」と疑ってしまった。 軽く倍の価値は十分にある作品といっていい。 力のあった劇団が次々なくなっていく世知辛い昨今だが、 この扉座にはいつまでも活躍していてもらいたい。