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緑慎一郎とミユキーズ’プロデュース公演 「蠅取り紙 〜山田家の5人兄妹〜」 @神奈川県立青少年センター 多目的プラザ 2013/09/13
劇団お座敷コブラ 10畳半公演 「マカロニ」 @神奈川県立青少年センター 多目的プラザ 2013/04/25
※本文中に激しくネタバレ含みます!
上演中の公演についてこれから観劇予定の方は閲覧ご遠慮ください。
緑慎一郎とミユキーズ’プロデュース公演
「蠅取り紙 〜山田家の5人兄妹〜」
2013/09/13更新 ≪神奈川県立青少年センター 多目的プラザ≫ ≪緑慎一郎とミユキーズ≫ ≪2013/09≫
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緑慎一郎とミユキーズ’プロデュース公演 「蠅取り紙 〜山田家の5人兄妹〜」 【脚本】 飯島早苗、鈴木裕美 【演出】 笹浦暢大 【キャスト】 岡本みゆき(劇団麦の会)、緑慎一郎(演劇プロデュース『螺旋階段』)、 織田裕之(ワタリダロケット)、山本悦子(劇団河童座)、伊藤南咲、 稲垣美恵子(京浜協同劇団)、田中勝彦 【日程】 2013年9月13日(金)〜15日(日) 【会場】 神奈川県立青少年センター多目的プラザ 【チケット料金】 前売 2,500円 当日 2,800円 【公式ブログ】 http://ameblo.jp/midori-miyukys/ ========================================== ハワイ旅行に行く両親を見送るために集まった山田家の5人兄妹。 出かけたはずの母が、翌朝家にいた! どういうこと!? ハワイにいる母の体と、日本に戻ってきてしまった母の意識。 兄妹たちは、大混乱の中、母を生還させようと必死になる。 その中で明らかになる、それぞれが抱えてきた問題… 誰かに話したくても多分うまく話せない、ちょっぴりホラーで、 かなり笑えて、だいぶ間抜けで、とってもあったかい物語。 以上、公式ブログからあらすじ抜粋。 2時間20分のハートウォーミングなホームコメディ。 自転車キンクリートが1994年に上演し、評判が良く、 それ以来いろんな団体で上演されている人気作品だ。 5人の兄弟は、母親が生霊化(?)して現れたのは、 母親に心配をかけている自分達のせいだと考える。 それぞれが抱えている様々な問題・悩み・コンプレックス。 いままで目を瞑っていたそれらの問題にキッチリと向き合い、 それを母親に1人ずつ報告していくことで、 母親の意識はあるべき場所に帰っていく。 この物語の中で描かれている家族愛は普遍的で、 いつの時代になっても観客の心に何かを刻んでいくであろう。 作品としても十分に面白かったが、 あれ?と雑念を抱いてしまう要素がちょこちょこあったのだけ残念。 登場人物と実際に演じる役者の年齢ギャップは気になるし、 見てるほうが心配になってくるほどセリフが怪しい役者はちょっと(汗) あと全体的に会話テンポが悪いかな。 バンバン回すべきシーンで役者が妙に大事にしゃべるケースが多くて、 特に前半は展開がヌルく感じた。 あと全体として、一番気になったのは居間の奥の襖。 実際にはそこには何も設置されていないのだが、 演者はそこに襖があって、そこを通れない設定で演技しているのだ。 これだけ写実的なセットなのに、ここだけ見えない壁設定は気持ちが悪い。 生霊の退場を効果的にみせるためなのはわかるが、 その演出効果と違和感を天秤にかけると、違和感のほうが強かったように思う。 同じ効果を狙うなら、障子ガラス戸なんかにしても良かったのでは? 全体の出来が良いと思えるだけに、 こういった些細な点が本当にもったいないと感じた。 もっともっとハイクオリティなモノを求めて これからも作品を提供していってほしいなと思う。
劇団お座敷コブラ 10畳半公演
「マカロニ」
2013/04/25更新 ≪神奈川県立青少年センター 多目的プラザ≫ ≪劇団お座敷コブラ≫ ≪2013/04≫
劇団お座敷コブラ 10畳半公演 「マカロニ」 【脚本・演出】 伊藤裕一 【キャスト】 瀬尾卓也(富良野GROUP)、佐藤李発、伊藤裕一、林潔、残間統、 北貴志、藤宮潤、中田豪一、中井剛志、渡辺克己(アクセント)、 ・rossoキャスト 梶沼萌花(PKP)、藤本貴行(劇団扉座)、村川加苗、和世レオ ・biancoキャスト 佐藤みつよ(劇団夢幻)、本田和大、岡本広毅(ガソリーナ)、有戸麻 【日程】 2013年4月17日(水)〜21日(日) 【場所】 神奈川県立青少年センター多目的プラザ 【チケット】 前売 3,000円 当日 3,200円 学生 500円 【公式HP】 http://ozashikikobura.jimdo.com/ =========================== とあるイタリア料理店。 かつては人気のある有名店だったが、先代が亡くなってからは業績は右肩下がり、 どんどん客足は遠のいていって従業員もたった5人に減ってしまった。 先代の娘であるえりは、なんとかお店を守っていこうと奮闘するが、 肝心の料理長はやる気なし、腕利きは料理が作れない病気。 さらに新人は引き抜かれてしまって、 ついにはお向かいにあるライバル店にお店を買収される話まで。 絶体絶命のピンチ。 そこにレシピを盗みにきた産業マフィアが登場。 彼らの暴力でレシピと命を脅かされるが、 ライバル店のシェフが記憶喪失から目覚めて産業マフィアを撃退。 実は彼はヨーロッパを牛耳る超有名マフィアだった。 ライバル店と和解し、料理長の情熱も戻ってきて、お店は前を見て歩み出す。 ハッピーエンド。 ってな感じのストーリー。 90分前後のドタバタコメディー芝居だった。 全体的に面白くはあるのだが・・・ うーん、ネタが面白いだけって感じだった。 話の筋がちょっと。。。 ストーリーがいくらなんでも雑では? 比較的序盤は物語の導入としてしっかり描かれているのだが、 中盤で味の番人とか、勘違いスパイ2人組とかが現れたあたりから、 急に展開が強引になって、見ていてモヤッとすることが多くて気持ち悪かった。 っていうか、彼らのストーリー上での役割っていったい・・・? 正直なところ「この話に要るのこの役?」ってのが本音。 主要人物の描写の仕方も非常に気になったなぁ。 主役である料理長は「ずーっと仕事しない、なのに偉そう」っていう嫌キャラのままで進行し、 ラストのラストに名ゼリで「実はこんな事情でした」って全部一気に説明。 ちょっと構成的にそれは陳腐過ぎるのではないだろうか。 お客に人間性と深層心情を理解してもらう作業が抜けているので、 最後にとってつけたように良いセリフをしゃべっても、イマイチ共感ができないのだ。 あと引き抜かれる新人に関するエピソードもそう。 新人本人、一番ショックであろう料理長、まわりのメンバーそれぞれの心情描写が非常に少なく、 最後ハッピーエンドで無事に店に戻ってきたときには、 「なんだこの調子のいいヤローは」という印象しか持てなかった。 もったいない・・・。 良いシーンなんだから共感させてよ!(笑) あと全体的に遊び心満載で、アドリブ部分が多くみられたのだが、 これはできる人だけにやってほしかった。 こういうネタは「役者本人としての魅力がお客に認められた人」がやって初めてウケる。 オカマソムリエ役の人などはそういう素養を持っていたが、 スパイの2人組のシーンなんかはこちらが恥ずかしくなるぐらいに辛かった。 ただ全体的に話のテンポは良く、オープニングダンスや、 忙しいランチタイムの描写などは非常に良くできていると思った。 カーテンコールを兼ねたエンディングの「はじめてのチュウ」は 非常にほほえましてくて、観終わった後に何かしら元気がもらえたのは確か。 そう感じたお客が多かったからこそ、あれだけ終演後の拍手が大きかったのであろう。 何度も再演している脚本らしいが、 個人的には無駄な脂身をもっとそぎ落として、 もっとあるべき奥行きを深めて大改編された姿を見てみたいと思った。