日々是劇評

関東圏内で観劇した舞台について率直に感想を書いています。
自分用の備忘録みたいなもんなんで遠慮なく辛口な批評もしています。

絞り込み 団体=「天才劇団バカバッカ」

天才劇団バカバッカ vol.12 「ザ・ランド・オブ・レインボウズ」  @六行会ホール 2013/12/11
天才劇団バカバッカ vol.11 「タイム・アフター・タイム」  @中野ザ・ポケット 2013/08/05
天才劇団バカバッカ vol.10 「ウェルカム・ホーム」  @中野テアトルBONBON 2013/04/27

※本文中に激しくネタバレ含みます!
 上演中の公演についてこれから観劇予定の方は閲覧ご遠慮ください。


天才劇団バカバッカ vol.12
「ザ・ランド・オブ・レインボウズ」

2013/12/11更新  ≪六行会ホール≫ ≪天才劇団バカバッカ≫ ≪2013/12

天才劇団バカバッカ vol.12 「ザ・ランド・オブ・レインボウズ」

天才劇団バカバッカ vol.12 「ザ・ランド・オブ・レインボウズ」

【脚本】
ゆるボーイゆるガール

【演出】
桐野翼

【キャスト】
木村昴、野村龍一、原将明(トムハウス)、市川欣希、レノ聡、熊野直哉、篠原正明(ナカゴー)、
ZiNEZ、KAIRI(from FOLK:LORE)、雷斗(S'cLean)、田村将一、田部圭祐、東慶光、
岸本学、長谷川弘、加瀬太喜、前川昂哉、大泉一旗、津村録太郎、
まつながひろこ(スターダストプロモーション)、池田裕子(ヒラタオフィス)、
中村知世(アワーソングスクリエイティブ)、津賀保乃、京香(ホリプロ)、
金野美穂(ポニーキャニオンアーティスツ)、綱島恵里香(サンズエンタテインメント)、
宇野なおみ、佐藤シャミーナ、横内のぞみ、海口ゆみ、堤もえ、脇田美帆、
山藤桃子、安藤紫緒(スターダス・21)、紗弓、木村飛鳥、岩尾由美子、
木村萠子、中原紫帆

【スタッフ】
舞台監督: 井関景太、村上洋康
美術: 原田愛
照明: 山内祐太、江森由紀
音響: 高橋真衣
音楽: 小澤時史
振付: 下司尚実、近藤彩香
衣装: 田村五月桃、山下桃世
映像: 松澤延拓
撮影: 大竹正悟
デザイン: 柴山修平
特設サイト: ヒロセミサキ
アクション指導: 白倉裕二
制作: 吉田千尋、ひかり
企画・製作: 天才劇団バカバッカ

【日程】
2013年12月11日(水)〜12月15日(日)

【会場】
六行会ホール

【チケット料金】
前売  3,500円
当日  3,800円
平日マチネ割  3,300円
学割  1,500円

【公式HP】
http://www.t-bakabakka.com/

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小さな映画製作会社が社運を懸けて手がける大プロジェクト。
それは江崎幸男の作品「虹の国」を日米合同で映画製作するもの。

しかしのっけから主演を務めるはずのウイル・スミスが降板、
代役には何故か白人のバスケットボール選手がやってくる。
スポンサーはムチャクチャな要望を出してくるせいで脚本はむちゃくちゃになるし、
脚本担当者は私情で勝手にヒロインを増やしたりで、
映画は最初の原案はどこへいったのというぐらいにムチャクチャな方向へ。

しかしそうやってできた作品も、自分達の想いによってできたもの。
「虹の国」を撮るにはまだまだ自分達が未熟だったと悟る。

出来上がった「虹の国」はその年の最低映画賞を受賞してしまう。
しかに皮肉なことに映画製作過程を追ったドキュメンタリーは大ヒット。
映画製作会社はなんとか存続できることになる。

めでたしめでたし。


超々ざっくりすぎてアレだが、まぁだいたいこういう筋のお話。
上演時間は1時間45分ぐらいかな。


内容は、うーん。


緞帳が上がると、まず始まるのは自己紹介の歌。
ここでいきなりポカーンとしてしまった。

「自己紹介の役割を持った歌」ではない。
曲のワンフレーズを使って1人ずつ名前と役割を説明する、
本当にガチの「自己紹介の歌」なのだ。

劇中の表現にて、場の状況やそこにある人間関係を伝えていけばいいのに、
オープニングに箇条書きみたいな人物説明を歌でぶっこんでくる、
そのセンスに全く共感できない。
だったらパンフに人物説明でも人物相関図でも掲載しておいてくれたほうがまだいい。

しかもその後すぐ続くのは、プロデューサーのテンパりソング。
幕開けからおふざけ曲が2連発。
もう序盤から気持ちが切れてしまった。

それ以降、ちょくちょく歌が入ってくるのだが、
目を見張る歌唱力を持つ役者は1人だっていないし、
役者は口パクで事前録音した声に頼っている部分も多数。
ピンマイクは一切使用せずに、全部ハンドマイクでやるもんだからマイクの手渡しが見苦しい。

「あんなどうでもいいところは歌うのに、
 なんでここは歌わずに台詞の独白?こここそ歌じゃない?」
みたいに感じるところも多くあった。
特に後半は、もう歌挿入するのめんどくさくなったのかな、ってぐらいに歌がない。

この団体は「劇中で歌う」ってことについて、いったいどういう意識でいるのだろうか?
盛り上がるから?楽しいから?
きちんとしたミュージカルを観ればわかるように、歌に入るためには必ずそこに動機がある。
その動機が作れてないから、どうしても「とりあえずここ歌ってみました」程度に見えてしまうのだ。
これではただの舞台を使ったカラオケ大会になってしまう。


あとストーリーが・・・なんか納得いかない。

映画を作っていく上でトラブルが頻発、
しかもそれは役者・スタッフそれぞれの身勝手さが主な原因。
結局ダメな作品が出来上がっちゃった!

・・・そこまでは別にいいのだが、
それをプロデューサーが「これはこれでみんなの想いが詰まった作品だ」って言って、
なんだか良い感じの雰囲気にまとまってチャンチャンってのが、ちょっと(汗)

スポンサーが横暴な注文つけてきて、それに製作側はハイハイ従って、
脚本家は自分の狙っている子のためにヒロイン追加して話壊して、
顔怪我するのがNGだから足しか狙わないというおかしなアクションシーンをやって、
禁じている社内恋愛を破ったカップルは作品の中でイチャイチャして、
これのどこが「みんなの想いが詰まった作品」なのか。
「作品のことなんか微塵も考えずにそれぞれが好き勝手やった結果」でしかないはずだ。
正直この展開には違和感以外に何も感じることができない。

あと細かいけど、さっきまで「監督史上最高のカットが撮れた!」って喜んでた監督が、
5分後には「ふざけた脚本にしやがって!」みたいに脚本家に怒ってるのはナンなの(苦笑)
満足してたんちゃうんかい(笑)


演出面もなんだか。

舞台上に人が残っていることが多く、照明で切ってシーンを展開しているのだが、
ピックアップが当たっていないモブと化してる人の動きが非常に目立つ。
あの人数が舞台上に同時に存在していて、
ピックアップでない人も常に何かしら動いてるってのは、お客にとって結構うっとおしいのだ。
あきらかにフォーカスを奪うような共演者殺しの動きをしている役者もいたし。

あと客席後方から報道陣がインタビューするって手法、ビミョーかと。
だって実生活でそんな視点に立つことないでしょ、インタビュアーとその対象に挟まれるって。
客席後方からインタビューの声を飛ばすことで何を表現したかったのか、さっぱりわからない。

ウィル・スミスオーディションのときもそう。
特に客いじりするわけでもないのに客電をつけるってどういう演出意図なのか。
客席が明るくなったのに、特に客席では何も起きずにまた照明が落ちる。
こちらとしては、なんだか客席にいてスベらされたみたいで気持ちが悪い(苦笑)


役者は全体的に演技がくどいかも。
句読点で息継ぎが多いし、動きもオーバーアクションが多いので、
かなり会話テンポが悪くてシーンがもっさりする。
カーテンコールで木村昴が見せてくれた速度の1歩手前ぐらいの塩梅でダァーッと演じて、
全体として10分ぐらいタイムを縮めてくれたほうが作品にハリが出ると思う。

ボイパやブレイクなどのパフォーマンスは素晴らしかったと思う。
ああいう常人には出来ない事をビシッっと見せてくれると、こちらはテンションが上がっていく。
逆に言うとそこが一番劇中で心が動いた部分だっていうのは、作品としては悲しいことだが。
本編からちょっと外れたオマケ部分のパフォーマンスだしね。
これぐらいのクオリティのものを本編でも見せてくれていたらなぁ。


うーん、パンフに「こんな劇場で公演できるなんて」という主宰の言葉があったが、
正直言って六行会ホールはまだ身の丈及ばずだと思う。
実力不足で大きな劇場押さえて、かかる費用はチケット代にてお客負担、なんてスタンスでは、
いずれお客に見放されてしまうだろう。

まだまだ若い劇団。
せっかくジャイアン声優という花形がいるのだから、
飛び級なんかしようとせずに、一歩一歩地力を高めながら前に進んでほしい。

次に期待。


 


天才劇団バカバッカ vol.11
「タイム・アフター・タイム」

2013/08/05更新  ≪中野ザ・ポケット≫ ≪天才劇団バカバッカ≫ ≪2013/08

天才劇団バカバッカ vol.11 「タイム・アフター・タイム」

天才劇団バカバッカ vol.11 「タイム・アフター・タイム」

【作】
桐野翼

【脚本】
ゆるボーイゆるガール

【キャスト】
木村昴、野村龍一、池澤あやか(東宝芸能)、志村玲那(アミューズ)、
高木古都(SonyMusicArtists)、レノ聡、ZiNEZ(digress-lab)、KAIRI(fromFORK:LORE)、
鈴樹志保(ライズプロダクション)、津賀保乃、竹内拓也、松原大輔、熊野直哉、
村井みゆき、海口ゆみ、東慶光、田村将一、佐藤シャミーナ、
中丸楓雅(ライズプロダクション)、大泉一旗、栗田直輝、長谷川弘、
宮中はるか、矢崎初音、日比谷光子、小宮凜子、亀田理紗(劇団K−Show)、
明良まみこ(エレメンツ)、堤もえ、横内のぞみ

【日程】
2013年7月31日(水)〜4日(日)

【会場】
中野ザ・ポケット

【チケット料金】
前売  3,000円
当日  3,500円
学割  2,000円

平日マチネ割 200円引き

【公式HP】
http://t-bakabakka.com/

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「青少年負担軽減法」が可決した。
それは若者の税金負担を軽減すべく高齢者の医療負担料を上げ、
さらには国に選ばれた者は孤島に捨てられるという、
まさに現代版の「姥捨て山」法案であった。

不幸にも主人公の母親が姥捨ての対象として選出されてしまい、
彼はなくなく自分の母を孤島に置き去りにする。

その後、自分の職場である外国語学校で悲しみに暮れていたところに
なんと捨てたはずの母親が現れるのであった。
政府に母の存在がばれると問題になると騒ぐ職員。
しかし主人公はもう二度と母親を見捨てたくないという想いで
母親を学内にかくまうことにする。

しかしそのとき母親の体に異変が。
なんと彼女はゾンビ化していたのだった。
その影響で学内や街中はゾンビだらけになってしまう。

これは研究施設で開発されていたウイルスが原因で、
一部の人間が自分の利益のためにあえて流出させたのだった。

主人公たちはその陰謀を暴き、ウイルスのワクチンを入手、
全員がゾンビから人間に戻ることができた。

しかし死んでからウイルスに感染した母親はワクチンを使うことで元の姿、
つまり死んだ状態に戻ってしまうという。
「人として死にたい」という母の願いを聞き入れワクチンを使用する主人公。
そしてその場にいた全員が悲しみに口を閉ざす。

しかしそこで、息絶えたと思った母親が元気に起き上がった。
実はウイルスにかかったのは死ぬ前だったことが判明。
胸をなでおろし喜ぶ主人公達。

大団円。


いつもながらの大雑把あらすじで申し訳ないが、
まぁ大体こんな感じのストーリー。
上演時間は95分程度。

終演後のカーテンコールで「ブログ等でのネタバレご遠慮下さい」とあったけど
千秋楽終わったいまならもういいよね?(笑)


序盤から「青少年負担軽減法」という社会的なテーマを突っ込んできた。

未来のない・労働力にもならない高齢者たちを排除する。
強きを優遇し、弱きを排除する、いわゆる「間引き」政策であるが、
高齢化社会が進む現代でこれは間違いなく「国のため」だけを思うなら極めて有効な手段である。
自然界の生き物でもこれを行う種はたくさんいるし、
人間だって農作物に対しては当たり前のようにやっていること。

しかしこの政策、もちろん道徳・人道的観点で通るわけがない。
もしこんな政策を現実に掲げる政治家がいれば、一瞬のうちに国民から黙殺されるであろう。
非常に有効な手段でありながらも、それ以上にタブーな事柄なのだ。

このタブーを劇中に放り込んでくるのは別にいい。

ただし、こんな重たく厳しいテーマを取り上げるからには、
しっかりと問題を提示し、劇団として一つの答えを示したり、
お客に熟考を促すような示し方をしてほしかった。
風呂敷を広げたわりには掘り下げがほとんどなくて、
ただの「母親と離別するための設定」にしかなっていなかったのだ。

このテーマに触れるからには、とことん触れ尽くしてほしい。
自分は少なくともこのテーマはそうあるべきものだと思っている。


後半は雰囲気が一転してゾンビパニックコメディーへ。
こちらのほうがいつものこの劇団のドタバタ感が出ていて面白かった。
歌やダンスを交えたゾンビの襲撃の表現法はお祭り的に楽しくて、まさにここの持ち味。

個人的には「青少年負担軽減法」の話か、
「ゾンビパニック」かどちらかに絞ったほうが良かったのではないかと思う。
もちろん劇団の色としては後者のほうが得意ではあろうが、
前者をもっともっと深く掘り下げた話にも興味がある。


あ、話を絞ったほうがって事にも繋がるのだが、
出演者それぞれに出番を作るためなのか、エピソードが多過ぎたように思う。
親のために恋人を捨てて親衛隊に入る話、政府のために動く親衛隊、
メンタルケア業者とそこにいたスパイ、研究者たち、
真実を追う女子アナたち、学内の外国人教師たち、ネズミを追う人、政治的な癒着・陰謀など。

特に序盤はいろんなエピソードがバラバラに展開し過ぎていて、
「?」をいっぱい脳裏に浮かべながら観ていた。

こういったブツ切りエピソードを箇条書きしたような構成は
観ている側にとっては物語に入っていく際の大きな障害になる。
上演時間が90分程度しかないんだから、もっと主軸を絞って見せるべきでは。


あと、演劇で子役を使うって本当に難しいことだなと再確認した。
舞台だと子供の役があっても、実年齢の子役を用意することはほとんどなく、
20代、30代のいい年したオトナが子供になりきって演技をすることが多い。
お客もそれは理解していて、ちゃんと彼らを子供として観てくれる。
「年齢設定と見た目のウソをなくしてくれるフィルター」がお客の脳内で発動するのだ。
だから20代の役者が子供役をやろうが、老人役をやろうが、それで成立する。

しかし、子供の役に実年齢の子役をあてた時点でそのフィルターは崩壊する。
ウソで成立していた世界に不用意に一部だけ本物を入れてしまうと、
いままで成立していたウソが成立しなくなってしまうのだ。
リアル子供が演じる子供役を観たあとでは、
大人が演じる子供、若者が演じる老人は観ていられなくなる。

別に子役を使うことがいけないわけではないが、
うーん、その使い方って本当に難しいもんだなと思った。


また次に期待。


 


天才劇団バカバッカ vol.10
「ウェルカム・ホーム」

2013/04/27更新  ≪中野テアトルBONBON≫ ≪天才劇団バカバッカ≫ ≪2013/04

天才劇団バカバッカ vol.10 「ウェルカム・ホーム」 天才劇団バカバッカ vol.10 「ウェルカム・ホーム」

天才劇団バカバッカ vol.10 「ウェルカム・ホーム」

【脚本】
ゆるボーイゆるガール

【演出】
桐野翼

【キャスト】
木村昴、野村龍一、岩井七世(イトーカンパニー)、柊瑠美(ファザーズコーポレーション)、
田中美晴(アミューズ)、梨里杏(レプロエンタテインメント)、若林時英(レプロエンタテインメント)、
レノ聡、熊野直哉、ZiNEZ(digress-lab)、久仁明(RUF)、木下俊、加藤美佐(アトミックモンキー)、
田部圭介、小川逹也(劇団ジャイアント・キリング)、佐々木翼、真嶋一歌(リジッター企画)、
津賀保乃、竹内拓也、木村ゆめこ、村井みゆき、高野宗大(演劇集団白紙)、海口ゆみ、
轟もよこ (劇団未成年)、田村将一、桜弓正和(アヴィクション)、東慶光、吉留明日香、
横内のぞみ、脇田美帆、山田勇亮(劇団今夜が山田)、池田大樹、佐藤シャミーナ、
筒井亜由貴(ヰ常集団Un≠i)、木村萠子

【日程】
2013年4月18日(木)〜29日(月)

【場所】
中野テアトルBONBON

【チケット】
前売  3,000円
当日  3,500円
一周目割 2,800円
平日マチネ割 2,800円
学生  2,000円

【公式HP】
http://www.t-bakabakka.com/

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阿佐ヶ谷に住む大家族の藤田家(10人兄妹と母親)。
かつてはテレビ番組で取り上げられて人気を博したが、
ヤラセが発覚しそのせいでいじめなどに合い、いまでは借金に怯える生活。
家族の心もバラバラになっていた。

そこに再びテレビ出演の話が舞い込む。
以前の番組でひどい思いをした家族は最初はその話を渋るが、
借金のこともあって出演を決めることに。
今回は最初から「フェイク・ドキュメンタリー」と銘打っているので
ヤラセだと弾圧を受けることもない。

兄弟3人目にあたる充は、番組があくまでフィクションということを利用して、
テレビの中でそれぞれ兄妹の本音を思いっきりぶちまける行動に出る。
しかし母親の亡き父への思いを聞いて、
何もかもぶち壊すはずの予定が、逆に家族の気持ちがまとまることに。
めでたしめでたし。



ざっくり書くとこんな感じの話かな。

上演時間は約120分。
35人ものキャストが出演する、ダンスあり歌ありのドタバタ劇だった。


テーマとしては非常に面白いものを感じた。
テレビで華やかに取り上げられる大家族番組の裏側の苦悩や、
兄妹それぞれのポジションからくる想いを描写している。
最終的には社会的な問題にまでテーマが波及していくので、
見終わってからもいろいろと考えさせられるものがある。

演歌とラップをコラボしたシーンなどはクオリティが高かったし、
舞台装置や照明、音響も丁寧に作りこまれていた。


うーん、それだけに惜しいと思った。
いま1歩、気持ちが引き込まれないのだ。

役者の技量はかなりバラつきがあって、
正直言ってつらいシーンはけっこうあった。
ネタでスベッてる箇所が多くて、その度に客席の温度が下がってしまっていた。

あと序盤から兄弟が一人ずつ順番にしゃべる展開が多すぎる。
自己紹介シーン、ラップシーンと続いただけでお腹いっぱいのところに、
終盤の兄弟一人一人の苦悩独白の時間はけっこうキツイ。
4人目ぐらいの時点で「あと6人もコレ続くのか。。。」とゲンナリしてしまった。

しかも兄弟それぞれが抱えていた問題って、
本音をぶちまけただけで結局なにも解決していないのでは・・・?
最後の円満なハッピーエンドにちょっと違和感を感じてしまった。
ラストの充の逮捕のエピソードも急すぎて取ってつけた感があったし。

きっちり作り上げられた作品ではあったのだが、
このように気になる部分がちょこちょこ目立ってしまって、
なんだかあまり「面白い」って感覚で見れなかった。
それがちょっと残念。

出来がいいのに面白くないってのは一番もったいないパターン。
こういうのってホントにちょっとしたことで変わると思うので、
是非そういう変化を期待したいと思う。


P.S.
気になっている点がひとつ。
こりっちの「観てきた!」のページなのだが、
先週眺めた時点ではそこそこ酷評もあり、星の数も少なかった。
しかし今日の時点では、13のレビューが寄せられ星平均4.6という高評価。
ほとんどの人が星5をつけていた。

趣味・嗜好はもちろん人それぞれだが、
ここまでみんながみんな5をつける作品とは正直思えないのだが・・・。
(自分は後方の席で観ていたので客席の空気がわかる状態だったが、
 上演中に集中力切れてる人はかなりいたし)

そしていくつかあった酷評が消えていること。
消えた理由っていったい何?

・・・何か考えたくないこと考えちゃうなぁ。


 

◎日々是劇評

劇場

APOCシアター
Art Theater かもめ座
KAAT 神奈川芸術劇場 ホール
KAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオ
pit北/区域
RAFT @東中野
アサヒ・アートスクエア
アトリエだるま座
ザムザ阿佐ヶ谷
シアターコクーン
シアター風姿花伝
シリウス・ビー
すみだパークスタジオ
ラゾーナ川崎プラザソル
王子小劇場
下北沢 「劇」小劇場
下北沢 OFF・OFFシアター
下北沢 シアター711
下北沢駅前劇場
絵空箱
吉祥寺シアター
高円寺明石スタジオ
座・高円寺1
笹塚ファクトリー
参宮橋トランスミッション
上野ストアハウス
上野小劇場
新宿 スペース雑遊
新宿 紀伊国屋ホール
新宿サンモールスタジオ
新宿シアターサンモール
新宿シアターブラッツ
新宿シアターモリエール
新宿タイニイアリス
神奈川県立青少年センター ホール
神奈川県立青少年センター 多目的プラザ
赤坂レッドシアター
川崎H&Bシアター
浅草橋アドリブ小劇場
相鉄本多劇場
大倉山記念館 第四集会室
大和田伝承ホール
池袋 シアターKASSAI
池袋シアターグリーン BASE THEATER
池袋シアターグリーン BOX in BOX
中野HOPE
中野MOMO
中野ウエストエンド
中野ザ・ポケット
中野テアトルBONBON
東京芸術劇場 池袋シアターウエスト
東松原ブローダーハウス
日暮里 d-倉庫
八幡山ワーサルシアター
文京シビック小ホール
北池袋 新生館シアター
本願寺ブディストホール
夢の島公園 テント劇場
六行会ホール
和光大学ポプリホール
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団体

(企)劇団思い出づくり
47ENGINE
613
8割世界
9-States
A・M・D企画
aji
Broadway musical
CAP企画
COTA-rs
CP Project
DULL-COLORED POP
HIME企画
Human Art Theater
IQ5000
Kanikuso
LiveUpCapsules
MS2
Office Months
Oi-SCALE
OUT of WIT
Platform
Re:Play
SORAism company
Studio D2
STUDIO HeadZ
The Dusty Walls
アトリエ・ダンカン
いと、まほろば
ヴォードヴィルの会
オールアクトカンパニー
カプセル兵団
からふる
シノハラステージング
セブンスキャッスル
ソラリネ。
ナイロン100℃
ネコ脱出
メガロザ
らちゃかん
リトルプラネット
開幕ペナントレース
企画ユニットあいてむぼっくす
空想組曲
空想天象儀
芸術集団れんこんきすた
劇団IQ5000
劇団PEOPLE PURPLE
劇団SSP
劇団お座敷コブラ
劇団くりびつてんぎょう
劇団ニコルソンズ
劇団マチダックス
劇団メリーゴーランド
劇団宇宙キャンパス
劇団喫茶なごみ
劇団東京晴々
劇団熱血天使
劇団扉座
劇団離風霊船
座・あおきぐみ
子供脳みそ
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人衣企画
青少年のための芝居塾
川崎インキュベーター
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張ち切れパンダ
天才劇団バカバッカ
東京都カリスマイル
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梅パン
風雲かぼちゃの馬車
平熱43度
野戦之月海筆子
立体再生ロロネッツ
立体親切
流星揚羽
緑慎一郎とミユキーズ
零’sRecord企画
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外部リンク

演劇感想文リンク
こりっち舞台美術!