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立体親切 「奇妙なコドク」 @上野小劇場 2013/10/11
※本文中に激しくネタバレ含みます!
上演中の公演についてこれから観劇予定の方は閲覧ご遠慮ください。
立体親切
「奇妙なコドク」
2013/10/11更新 ≪上野小劇場≫ ≪立体親切≫ ≪2013/10≫
立体親切 「奇妙なコドク」 【作・演出】 新内浩之 【キャスト】 松尾藍、穂積宏和、藤井彩葉、新内浩之 【日程】 2013年10月11日(金)〜13日(日) 【会場】 上野小劇場 【チケット料金】 当日・前売 2,000円 【公式HP】 http://rittaishinsetsu3.blog.fc2.com/ ========================================== 偉大な作家を父に持つ七光(にじ)という青年。 いままでずっと父に敷かれたレールに沿って生きてきたが、 あるときその父は倒れて危篤状態になってしまう。 七光は急に自分の進むべき道を見失ってしまい、 部屋に引き篭もって心を閉ざしてしまう。 ちょうどそんなとき、父の弟子である牛(うし)は、 自分の次の作品の題材に織田信長の息子・信忠を選んでいた。 今と戦国で時代こそ大きく違えども、 偉大な親の道標を突然失うという共通点がある七光と信忠。 信忠が実際にどういった考えを持って生きたのかを言及しながら、 親へのコンプレックスと向き合っていく七光の姿を描く。 まぁ、ざっくり書くとこんな感じのお話。 織田信忠の人生を掘り下げていくことで、 七光の深層心理などを同時に描写していくという手法は面白い。 そのおかげで七光のシーンに余計な言葉を詰める必要がなくなり、 妄想の少女・鈴との会話がより活きるようになっていた。 舞台は客席に向けて開くように長机がコの字に配置されており、 4人の役者は出番がないときはその席について待機していた。 小屋の構造上、役者をハケさせずに舞台上に待機させるのは良いと思う。 そのほうがめまぐるしくシーンを展開することができるし。 ただ、待機している役者に素で座らせている意図がわからなかった。 席には役者本人のネームプレートがあり、待機中は飲み物なども自由に飲んでいたが、 これらの演出的な意味はいったい? コロスとして無で待機させなかった理由がわからず、ちょっとモヤモヤ プレイしているテレビゲームの映像を後にスクリーンで投影していたが、 ちょっと主張が強すぎてフォーカス泥棒になっていた感があった。 プレイキャラが次々死んでいくシーンを映すのは面白いと思うので、 使い方にもうちょっと工夫があったらなと思う。 あと編集担当の女性の私生活の独白シーンの浮きっぷりは謎。 本編からあまりにも独立し過ぎていて蛇足感が大きかった。 削るか、本編にもっと絡むようにするか、 どっちかにしたほうが良かったように思う。 牛役の人のセリフ全般の「てにおは」の独特のイントネーション、 指をくるくる回す映像のあまりのチープさ、 ほかにもいろいろと集中を削ぐマイナス要素が多かったのが残念。 作品のベクトル、その手法などは良いと思うだけになおさら惜しい。 いろんなチャレンジが見える意欲作に思えたので 次にまた期待したい。