日々是劇評

関東圏内で観劇した舞台について率直に感想を書いています。
自分用の備忘録みたいなもんなんで遠慮なく辛口な批評もしています。

絞り込み 記事更新日=「2013/04」

カプセル兵団超外伝 吉久直志プロデュース公演 「アベンジャーズ」  @八幡山ワーサルシアター 2013/04/30
天才劇団バカバッカ vol.10 「ウェルカム・ホーム」  @中野テアトルBONBON 2013/04/27
劇団お座敷コブラ 10畳半公演 「マカロニ」  @神奈川県立青少年センター 多目的プラザ 2013/04/25
劇団熱血天使 第7回公演 「一筆入魂 締切追うもの、追われるもの」  @八幡山ワーサルシアター 2013/04/21
劇団宇宙キャンパス19th act 「つきあたりを見上げれば…」  @吉祥寺シアター 2013/04/10

※本文中に激しくネタバレ含みます!
 上演中の公演についてこれから観劇予定の方は閲覧ご遠慮ください。


カプセル兵団超外伝 吉久直志プロデュース公演
「アベンジャーズ」

2013/04/30更新  ≪八幡山ワーサルシアター≫ ≪カプセル兵団≫ ≪2013/04

カプセル兵団超外伝 吉久直志プロデュース公演 「アベンジャーズ」

カプセル兵団超外伝 吉久直志プロデュース公演 「アベンジャーズ」

【脚本・演出】
吉久直志

【キャスト】
吉久直志、北出浩二(teamSPITFIRE)、西村太一(ジャングルベル・シアター)、
遠藤公太朗、千田剛士(シアターキューブリック)、青木清四郎

日替わりゲスト:
小川輝晃、関智一、IKKAN、津久井教生、トクナガヒデカツ

【日程】
2013年4月25日(木)〜29日(月・祝)

【会場】
八幡山ワーサルシアター

【チケット】
前売り 3,500円
当日券 3,800円

【公式HP】
http://www.kapselheidan.com/

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先輩ヒーローの葬式に集まった男6人の物語。
彼らもみなヒーロー。
そのヒーロー達はみな年代はバラバラで、
ジャンルも改造人間型、強化服型、宇宙人型、獣人変化型と様々。
思い出話やヒーローあるあるなどをひたすら話し、
最後にはヒーローとしての自分の存在意義にまでテーマが移る。


非常に面白かった。

SFアクション活劇がお決まりのカプセル兵団だが、
今回はまさかの男6人ワンシチュエーション会話劇。
ヒーローの存在意義と進退を考えるという最終的なテーマはあるが、
基本的には、ただひたすらヒーローあるある的なおしゃべりをしていた。

それだけといっちゃあ、それだけなのだが、
話している内容がとにかくおもしろい。
かのヒーロー大戦のときは声をかけてもらえなくて悲しかったとか、
性能的に後輩ヒーローに劣るのに気を遣われて前のほうに配置されたとか、
ヒーローが実在していたならそういうのあるよなぁというような
おもしろいエピソードが満載だった。

けっこうマニアックなネタをしゃべっているときもあったが、
その作品を知らなくても十分理解できることが多く、
ヒーロー特撮に知識がない自分でもちゃんと楽しめた。
(知っていればもちろん楽しさ倍増だったのであろうが)

ヒーロー特撮の今と昔の話を話しているので
自分の世代のヒーローの名前が出てくると共感できて嬉しいし。

あと終わり方もスッキリしていて良い。
引退を考えていた中年ヒーローが、現れた巨大怪獣と戦っている後輩たちの姿をみて、
気持ちの奥底にあるヒーロー魂を再燃させて向かっていく。
ヒーローを題材にした作品としては「そうこなくっちゃ」と思わせる、
最高の終わり方だったように思う。


そして役者6人の地力がしっかりしているのが大きい。
ナチュラルにしゃべる会話劇だと役者の地力がモロに出るものだが、
穴になっている役者が誰もいなかったので
終始グイグイと引き込まれていった。

ゲストタイムの暴れっぷりもあそこまでいくとスガスガしい(笑)
こういう遊び心を忘れないのもこの団体の魅力であろう。


唯一残念だったのは立ち位置かな。
チラシにあっただろうか、宣伝文句として
「稽古で立ち位置などを全く決めない、その日によって構図が全く違う芝居」
というのがあったのだが、
役者が被ってしまっていたり、一列に並んで構図が汚かったりというシーンが
全体でけっこう目に付いていた。
正直見ているこっちとしてはあまり嬉しい試みではなかったように思った。


今回の公演は「カプセル兵団超外伝」と銘打っていたが、
超外伝と言わずにぜひ定期的にやってほしいと思った。
そうしてくれれば自分の今後の観劇生活がまたひとつ楽しくなる。


 


天才劇団バカバッカ vol.10
「ウェルカム・ホーム」

2013/04/27更新  ≪中野テアトルBONBON≫ ≪天才劇団バカバッカ≫ ≪2013/04

天才劇団バカバッカ vol.10 「ウェルカム・ホーム」 天才劇団バカバッカ vol.10 「ウェルカム・ホーム」

天才劇団バカバッカ vol.10 「ウェルカム・ホーム」

【脚本】
ゆるボーイゆるガール

【演出】
桐野翼

【キャスト】
木村昴、野村龍一、岩井七世(イトーカンパニー)、柊瑠美(ファザーズコーポレーション)、
田中美晴(アミューズ)、梨里杏(レプロエンタテインメント)、若林時英(レプロエンタテインメント)、
レノ聡、熊野直哉、ZiNEZ(digress-lab)、久仁明(RUF)、木下俊、加藤美佐(アトミックモンキー)、
田部圭介、小川逹也(劇団ジャイアント・キリング)、佐々木翼、真嶋一歌(リジッター企画)、
津賀保乃、竹内拓也、木村ゆめこ、村井みゆき、高野宗大(演劇集団白紙)、海口ゆみ、
轟もよこ (劇団未成年)、田村将一、桜弓正和(アヴィクション)、東慶光、吉留明日香、
横内のぞみ、脇田美帆、山田勇亮(劇団今夜が山田)、池田大樹、佐藤シャミーナ、
筒井亜由貴(ヰ常集団Un≠i)、木村萠子

【日程】
2013年4月18日(木)〜29日(月)

【場所】
中野テアトルBONBON

【チケット】
前売  3,000円
当日  3,500円
一周目割 2,800円
平日マチネ割 2,800円
学生  2,000円

【公式HP】
http://www.t-bakabakka.com/

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阿佐ヶ谷に住む大家族の藤田家(10人兄妹と母親)。
かつてはテレビ番組で取り上げられて人気を博したが、
ヤラセが発覚しそのせいでいじめなどに合い、いまでは借金に怯える生活。
家族の心もバラバラになっていた。

そこに再びテレビ出演の話が舞い込む。
以前の番組でひどい思いをした家族は最初はその話を渋るが、
借金のこともあって出演を決めることに。
今回は最初から「フェイク・ドキュメンタリー」と銘打っているので
ヤラセだと弾圧を受けることもない。

兄弟3人目にあたる充は、番組があくまでフィクションということを利用して、
テレビの中でそれぞれ兄妹の本音を思いっきりぶちまける行動に出る。
しかし母親の亡き父への思いを聞いて、
何もかもぶち壊すはずの予定が、逆に家族の気持ちがまとまることに。
めでたしめでたし。



ざっくり書くとこんな感じの話かな。

上演時間は約120分。
35人ものキャストが出演する、ダンスあり歌ありのドタバタ劇だった。


テーマとしては非常に面白いものを感じた。
テレビで華やかに取り上げられる大家族番組の裏側の苦悩や、
兄妹それぞれのポジションからくる想いを描写している。
最終的には社会的な問題にまでテーマが波及していくので、
見終わってからもいろいろと考えさせられるものがある。

演歌とラップをコラボしたシーンなどはクオリティが高かったし、
舞台装置や照明、音響も丁寧に作りこまれていた。


うーん、それだけに惜しいと思った。
いま1歩、気持ちが引き込まれないのだ。

役者の技量はかなりバラつきがあって、
正直言ってつらいシーンはけっこうあった。
ネタでスベッてる箇所が多くて、その度に客席の温度が下がってしまっていた。

あと序盤から兄弟が一人ずつ順番にしゃべる展開が多すぎる。
自己紹介シーン、ラップシーンと続いただけでお腹いっぱいのところに、
終盤の兄弟一人一人の苦悩独白の時間はけっこうキツイ。
4人目ぐらいの時点で「あと6人もコレ続くのか。。。」とゲンナリしてしまった。

しかも兄弟それぞれが抱えていた問題って、
本音をぶちまけただけで結局なにも解決していないのでは・・・?
最後の円満なハッピーエンドにちょっと違和感を感じてしまった。
ラストの充の逮捕のエピソードも急すぎて取ってつけた感があったし。

きっちり作り上げられた作品ではあったのだが、
このように気になる部分がちょこちょこ目立ってしまって、
なんだかあまり「面白い」って感覚で見れなかった。
それがちょっと残念。

出来がいいのに面白くないってのは一番もったいないパターン。
こういうのってホントにちょっとしたことで変わると思うので、
是非そういう変化を期待したいと思う。


P.S.
気になっている点がひとつ。
こりっちの「観てきた!」のページなのだが、
先週眺めた時点ではそこそこ酷評もあり、星の数も少なかった。
しかし今日の時点では、13のレビューが寄せられ星平均4.6という高評価。
ほとんどの人が星5をつけていた。

趣味・嗜好はもちろん人それぞれだが、
ここまでみんながみんな5をつける作品とは正直思えないのだが・・・。
(自分は後方の席で観ていたので客席の空気がわかる状態だったが、
 上演中に集中力切れてる人はかなりいたし)

そしていくつかあった酷評が消えていること。
消えた理由っていったい何?

・・・何か考えたくないこと考えちゃうなぁ。


 


劇団お座敷コブラ 10畳半公演
「マカロニ」

2013/04/25更新  ≪神奈川県立青少年センター 多目的プラザ≫ ≪劇団お座敷コブラ≫ ≪2013/04

劇団お座敷コブラ 10畳半公演 「マカロニ」

劇団お座敷コブラ 10畳半公演 「マカロニ」

【脚本・演出】
伊藤裕一

【キャスト】
瀬尾卓也(富良野GROUP)、佐藤李発、伊藤裕一、林潔、残間統、
北貴志、藤宮潤、中田豪一、中井剛志、渡辺克己(アクセント)、

・rossoキャスト
梶沼萌花(PKP)、藤本貴行(劇団扉座)、村川加苗、和世レオ 

・biancoキャスト
佐藤みつよ(劇団夢幻)、本田和大、岡本広毅(ガソリーナ)、有戸麻 

【日程】
2013年4月17日(水)〜21日(日)

【場所】
神奈川県立青少年センター多目的プラザ 

【チケット】
前売 3,000円
当日 3,200円
学生 500円

【公式HP】
http://ozashikikobura.jimdo.com/

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とあるイタリア料理店。
かつては人気のある有名店だったが、先代が亡くなってからは業績は右肩下がり、
どんどん客足は遠のいていって従業員もたった5人に減ってしまった。

先代の娘であるえりは、なんとかお店を守っていこうと奮闘するが、
肝心の料理長はやる気なし、腕利きは料理が作れない病気。
さらに新人は引き抜かれてしまって、
ついにはお向かいにあるライバル店にお店を買収される話まで。
絶体絶命のピンチ。

そこにレシピを盗みにきた産業マフィアが登場。
彼らの暴力でレシピと命を脅かされるが、
ライバル店のシェフが記憶喪失から目覚めて産業マフィアを撃退。
実は彼はヨーロッパを牛耳る超有名マフィアだった。

ライバル店と和解し、料理長の情熱も戻ってきて、お店は前を見て歩み出す。
ハッピーエンド。


ってな感じのストーリー。
90分前後のドタバタコメディー芝居だった。


全体的に面白くはあるのだが・・・
うーん、ネタが面白いだけって感じだった。
話の筋がちょっと。。。

ストーリーがいくらなんでも雑では?
比較的序盤は物語の導入としてしっかり描かれているのだが、
中盤で味の番人とか、勘違いスパイ2人組とかが現れたあたりから、
急に展開が強引になって、見ていてモヤッとすることが多くて気持ち悪かった。
っていうか、彼らのストーリー上での役割っていったい・・・?
正直なところ「この話に要るのこの役?」ってのが本音。


主要人物の描写の仕方も非常に気になったなぁ。

主役である料理長は「ずーっと仕事しない、なのに偉そう」っていう嫌キャラのままで進行し、
ラストのラストに名ゼリで「実はこんな事情でした」って全部一気に説明。
ちょっと構成的にそれは陳腐過ぎるのではないだろうか。
お客に人間性と深層心情を理解してもらう作業が抜けているので、
最後にとってつけたように良いセリフをしゃべっても、イマイチ共感ができないのだ。

あと引き抜かれる新人に関するエピソードもそう。
新人本人、一番ショックであろう料理長、まわりのメンバーそれぞれの心情描写が非常に少なく、
最後ハッピーエンドで無事に店に戻ってきたときには、
「なんだこの調子のいいヤローは」という印象しか持てなかった。
もったいない・・・。
良いシーンなんだから共感させてよ!(笑)


あと全体的に遊び心満載で、アドリブ部分が多くみられたのだが、
これはできる人だけにやってほしかった。
こういうネタは「役者本人としての魅力がお客に認められた人」がやって初めてウケる。
オカマソムリエ役の人などはそういう素養を持っていたが、
スパイの2人組のシーンなんかはこちらが恥ずかしくなるぐらいに辛かった。


ただ全体的に話のテンポは良く、オープニングダンスや、
忙しいランチタイムの描写などは非常に良くできていると思った。
カーテンコールを兼ねたエンディングの「はじめてのチュウ」は
非常にほほえましてくて、観終わった後に何かしら元気がもらえたのは確か。
そう感じたお客が多かったからこそ、あれだけ終演後の拍手が大きかったのであろう。

何度も再演している脚本らしいが、
個人的には無駄な脂身をもっとそぎ落として、
もっとあるべき奥行きを深めて大改編された姿を見てみたいと思った。


 


劇団熱血天使 第7回公演
「一筆入魂 締切追うもの、追われるもの」

2013/04/21更新  ≪八幡山ワーサルシアター≫ ≪劇団熱血天使≫ ≪2013/04

劇団熱血天使 第7回公演 「一筆入魂 締切追うもの、追われるもの」 劇団熱血天使 第7回公演 「一筆入魂 締切追うもの、追われるもの」

劇団熱血天使 第7回公演 「一筆入魂 締切追うもの、追われるもの」

【作】
水谷暖人

【演出】
高橋祐介

【キャスト】
大坂真璃子、金澤洋之、菅沼萌恵、鈴木紀進、大柿誠、
北川瞬((株)SPARK)、菅沼哲、高山史也、田山楽、丹呉麻里江
水口早香、三橋忠史(ダブルアップエンタテインメント)、宮尾知里
吉田彩花

【日程】
2013年4月17日(水)〜21日(日)

【会場】
八幡山ワーサルシアター

【チケット料金】
一般   \3000
学生   \2800
平日割・初日割 一般2,800/学生2,500

【公式HP】
http://ameblo.jp/nekketsu-tenshi/

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芥川龍之介が新思潮を刊行する1914年前後のお話。
創作に対しての芥川、菊池、久米、松岡らのそれぞれの想い、
彼らに関わる編集者や婚約者、妻の想い、
それらをうまく絡めた人間ドラマを
「無名作家達の一日」、「或る求婚者の話」、「締切戦争」、「話の育て方」の
4本立てのオムニバスで上演している。


チラシやパンフにはオムニバスと書いてあったが、
実際にはこの4つの話に出てくる登場人物は共通で、時系列もそのまま並んでいるところから、
4場構成の1つの演劇作品といったほうがいいかもしれない。

1話目は、書きたい作品と売れる作品との確執、
そしてその才能に悩む若者たちの話。
2話目は、友人の婚約者に執拗に言い寄られる作家のドタバタ劇。
3話目は、締め切りに終われる作家を囲む編集者達と妻とファンの、
これまた多人数型のドタバタ劇。
4話目は、自分の才能がなかなか認められず作家の道をくじけそうになっている若者を
珈琲店の女将が叱咤激励する話。


個人的には2話目のコントチックなおもしろおかしいやりとりが好きだった。
登場する3人の役者はどれも個性的でおもしろく、
ボケとツッコミのテンポの良さは非常に秀逸で、大いに笑わせてもらった。

作品としてのまとまりが一番良かったのは3話目かな。
締め切りを守らせつつも作家を持ち上げたり、作家の将来を考えたりしている編集者達、
作家の一ファンで、その作家をダメにしないためにいろんな努力をみせる女性、
作家の妻という立場のおかげで締め切り前のドタバタ騒動に巻き込まれている奥さんの心情。
そしてアイデア不足に悩み苦しむ作家本人。
たぶん、観ていたお客さんも実際に登場人物のどれかに近い立場で仕事をしていると思うので、
どこかのポジションに感情移入できたのではなかろうか。

1話目は正直イマイチ。
会話劇なのに妙に元気にハキハキと声を張り上げる役者が多くてちょっとゲンナリしてしまった。
登場人物が沢山いたわりには引っ張れる役者は不在で、
お客を惹きつけなければいけない1話目としては残念な仕上がりに感じてしまった。

4話目は珈琲店の女将の安定した演技力に支えられて
すっきりとまとまっていた。
登場人物の役割とキャラ立てがしっかりしていたせいもあるだろう。
見やすいし、話的にもしんみりと心に染み込んでくる良いお話。

全話通して全体的にみれば、しっかりと作られていてテンポもよくて
素直に楽しめる作品だったと思う。


ちょっとだけ気になったのは「一筆入魂」というタイトル。
最後の話のまとめを平たく言うと、
「苦しいことをなぜ続けることができるのか、それは今日だけはがんばるを毎日続ける」
といった旨の内容だったのだが(ちょっと平た過ぎる言い方で語弊がありそうだが)
自分が持っている「一筆入魂」という単語のイメージとはちょっと遠い気がした。
その点だけ観劇後に違和感として残っちゃったかな。

しっかりとした地力のある集団だと思った。
次の公演も楽しみにしたい。


 


劇団宇宙キャンパス19th act
「つきあたりを見上げれば…」

2013/04/10更新  ≪吉祥寺シアター≫ ≪劇団宇宙キャンパス≫ ≪2013/04

劇団宇宙キャンパス19th act 「つきあたりを見上げれば…」 劇団宇宙キャンパス19th act 「つきあたりを見上げれば…」

劇団宇宙キャンパス19th act 「つきあたりを見上げれば…」

【作・演出】
小林ともゆき

【キャスト】
A日程
佐藤祐治、小林真弥、柳瀬翼、芳賀信吉、 石戸サダヨシ、脇本昌彦、キムラシゲオ、
平元佳奈、塩崎こうせい(X‐QUEST)、大多和愛子(FEVER DRAGON NEO / MediaFactory)、
玉渕正紀、かわもとゆうき、立石亮、かわらじゅん(オフィスジョイ)、宮崎優美、
吉田弥生、SUMIO(Re:Play)、品川知美、神越夢美子(ベストポジション)、
えんどうたいと、谷口洋行、鎌田英幸

B日程
菊田健吾、キムラシゲオ、上岡一路、弦巻秀人、田口暁子、平元佳奈、
大田原りな、柳橋龍、岡本弘実、一石よしふみ(JACKPOT)、
美濃宏之(劇団東京ルネッサンス)、安見謙一郎(UDATSU)、矢野和明、
弥浦ちえ(BuddySystem)、田代ナオ(帝京大学ヴィクセンズシアター)、
吉村和紘(潟}ック・ミック)、尾鷲知恵(マグネシウムリボン)、
仲澤剛志、渡辺ルナ、小林勝弥(薫風武隊)、鈴木俊哉、
山本ともだち(バッカマンズ)

【日程】
2013年4月4日(木)〜10日(水)
全10回公演

【会場】
吉祥寺シアター

【チケット料金】
前売り券 3,000円
当日精算券 3,300円
当日券 3,500円
学割 2,000円(高校生以下・要学生証提示)
リピーター割引 2,000円(半券持参)

【公式HP】
http://uchucan.web.fc2.com/

==========================

とある繁華街の隅にたたずむ寂れた喫茶店でのお話。
そこはグータラな従業員たちが働いていて、
訪れるお客もゲイバー務め、売れない芸人、ギャル、キャバ嬢、ヤクザなど
一風変わった人種ばっかり。

お世辞にも喫茶店として立派とは言い難いお店だったが、
みなそれなりに楽しくドタバタの毎日を送っていた。

そこにタチの悪いホストとそれに騙されているキャバ嬢がやってくる。
そのキャバ嬢の友人が彼女をなんとか助けてほしいと訴え、
店員とお客みんなで協力、うまく解決する。

また平穏な日常が流れるかと思いきや、
そこにお店をカジノにするために別の大物ヤクザが乗り込んでくる。
すでにオーナーとは話がついていて、喫茶店の閉店を強要されてしまう。
店を愛している店員と客はなんとか店を守ろうと画策するが、
結局はうまくいかず、店のケツもちヤクザが大物ヤクザを殺害(?)してしまう。
店は結局閉店へ。

しかしそれから幾らかの時が過ぎ、また新しくお店を開くことに。
懐かしのメンバーが集まっていい感じで大団円。


まぁ、流れとしてはだいたいこんな感じのストーリー。


いくらなんでも脚本が陳腐すぎると思った。
プロット書いてんのかなコレ。
いきなり頭からノープランで書き出したような陳腐さ。

20人以上も登場人物がいるのに人間関係の描写は浅く、
おもしろおかしい人達とりあえず並べてみましたって印象を受けた。
放り込んでくるネタも、ややウケかスベッてるものが多くてイマイチ。

前半のキャバ嬢を救う話と後半の乗っ取り騒動が完全に独立してるのも違和感があった。
2つのエピソードが全く連携していなくて、2本立てオムニバス公演見せられた感じ。
こんなだったら、どっちかに絞って膨らませたほうが良かったのではないだろうか。
要素を詰め込みすぎてグダグダになってる失敗はいっぱい観てきたが、
エピソードの連携が全くなってなくてグダグダになってるパターンは珍しい。

あと主人公のマサキに全く共感できなかったのが痛い。
「頭が良くなくてむこう見ずで自分の信じたことに真っ直ぐ突き進む」ってだけならいのだが、
そこに「身勝手さ」と「都合の良さ」と「思いやりのなさ」が入っているため、
どこからどうみても完全にゆとり全開の「ヤな奴」でしかないのだ。
状況を読まずにあれは嫌だ、これは嫌だ、って反抗ばかりしていて、
でも行動は人頼みで自分自身の力ではなにもしない。
そんな人間ががラストシーンでどんな素晴らしい独白をしたところで
お客はシラけるばかりだ。


そしてラストシーン。
なんであっさりお店復活・・・?

あれだけ悲壮感たっぷりに解散していったのに。
何か大事なセリフ聞き漏らしたのかなと思ってこりっちの感想を眺めてみたが、
やはり皆同じような印象を受けていた。

2時間超えで、正直削れるシーンも多かったのに、なんで結末がこんな描写不足なんだろうか。
この理不尽なハッピーエンド、登場人物がテンション高く喜べば喜ぶほど
こちらにはキツネにつままれたような後味の悪さが・・・。

しかも後から知ったのだが、この作品は再演らしい。
もし初演でもラストシーンが同じ展開だったのであれば、
アンケート等で同じような否定的な意見がいっぱい寄せられていただろうし、
脚本家以外の劇団メンバーもこの部分に疑問を持たないわけはないと思うのだが。
再演なのに何も練らずにこれを提出してきたのであれば、劇団としての在り方に失望する。

さらに厳しい言い方になるが、そもそもこの脚本、全体的なクオリティが低過ぎる。
はっきり言ってこの本は「再演するに値する本」でないと思う。
なぜ再演しようってことになったのだろうか。


店長役や、ヤクザの兄貴分のほう(ケツ持ち側と広域側の両方とも)あたりは
個人的にその演技に好感を持てたし、
セットは豪華で、オープニングの映像と役者のコラボも良質。

良いところもあっただけに余計に残念に思う作品だった。


 

◎日々是劇評

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KAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオ
pit北/区域
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シアターコクーン
シアター風姿花伝
シリウス・ビー
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ラゾーナ川崎プラザソル
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下北沢 「劇」小劇場
下北沢 OFF・OFFシアター
下北沢 シアター711
下北沢駅前劇場
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新宿サンモールスタジオ
新宿シアターサンモール
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新宿シアターモリエール
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神奈川県立青少年センター 多目的プラザ
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池袋 シアターKASSAI
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池袋シアターグリーン BOX in BOX
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中野MOMO
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