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シノハラステージング #54-2 「バックステージ」 @シリウス・ビー 2012/04/05
※本文中に激しくネタバレ含みます!
上演中の公演についてこれから観劇予定の方は閲覧ご遠慮ください。
シノハラステージング #54-2
「バックステージ」
2012/04/05更新 ≪シリウス・ビー≫ ≪シノハラステージング≫ ≪2012/04≫
シノハラステージング #54-2 「バックステージ」 【作・演出】 篠原明夫 【キャスト】 川島千加子、佐々木みち代、大場トシヒロ、たけうちまりの、渕井達也、牧野雄一郎、澤口陽子、 浅川芳恵、佐々木緑、穂積宏和、小嶋ひかる、安田莉麻、江村弥恵子 【日程】 2012年 3月30日(金)〜4月8日(日) 【場所】 シリウス・ビー 【チケット】 前売2,500円、当日3,000円 【公式HP】 http://home.interlink.or.jp/~staging/ ============================ デパートの屋上で催される様々なイベント。 きぐるみショー、歌のお姉さん、ロックミュージシャンなどなど。 その出演者たちとイベント主催者、売店の人たちが楽屋で繰り広げるドタバタコメディ。 音響担当者の遅刻をごまかそうとして香盤表を変更したことをきっかけとして、 音響オペミスや、急遽用意したキャバ系司会者の場違いな司会進行、 着ぐるみ役者のダウンなどのトラブルが続出する。 しかし始まってしまっているイベントはもう止められない。 なんとかうまく収めようと、メンバーは空回りしながらも全員でがんばる。 そんな感じのお話。 ドタバタコメディとしてよくできた作品だった。 設定もストーリの進行も単純に面白い。 小ネタなんかの言葉のチョイスもセンスがあったと思う。 楽屋裏という狭いスペースで大人数の芝居なのだが、 人の出入りを無理なくこなしていて非常に見やすかった。 登場人物の個性も立っていて、見ていて飽きがこない。 とくに売れないロックミュージシャンの暴走っぷりはすがすがしく、 初登場から10分ぐらい自分のペースでしゃべり続けるシーンは秀逸だった。 個人的に惜しいなとおもったのは、フツーに面白い作品で終わってしまっていたこと。 笑いどころがたくさんあるので終始笑いは起きるのだが、大爆笑がないのだ。 ややウケの連続って感じ。 このへんは役者全体の技量によるものなのではないかと思う。 最高のネタを、最高の声量、最高のトーン、最高の間、最高の表情、最高の絵面で放つ。 この点において、やや甘さが目立った印象を受けた。 もうちょっとこうやれば面白いのにっていうのはけっこうたくさんあった。 これが客席のテンションを最高潮までもっていけなかった要因だと思う。 うーん、惜しい。 あと、ヘンゼルとグレーテルの着ぐるみ劇を楽屋のマイクで即興で演じるシーン。 これがこの芝居の中で一番盛り上がるべき部分のはずなのだが、 残念ながらいまいち面白くなくて失速してしまっていたのが残念。 即興でしゃべっている内容がネタとしていまひとつだったこと、 みんなが悩みつつたどたどしくしゃべるためにテンポが悪いこと、 このあたりから序盤では強かったそれぞれの役の個性が薄まってきたこと、 そのへんが原因かな? また設定上、この即興に合わせてステージで着ぐるみ役者が演技をしていることになるのだが、 シーンを見ていてもいまいちその絵がイメージで出てこなかったこと。 ムチャクチャな即興のマイク音声に対してのステージ上の反応、お客の反応それぞれが もう少し描写されているともっと面白くなったのではないかと思う。 面白い作品だったのは間違いない。 でもせっかくなので、より上のレベルの大爆笑オンパレードの最強コメディを目指してもらいたい。 今後に期待。 P.S. チケットがピラッピラのコピー用紙ってのはちょっと。。。 チケットのクオリティの高い低いは、もちろん芝居の出来とは関係ないものだが。 個人的にはチケットは素敵な空間に入るため、素敵な役者に会うための引換券、 つまり特別な価値のある物だと思ってる。 ただの受付で使う便宜上の紙切れでは決してない。 だからこそ半券を観劇の思い出にとっておく人がいるのだ。 お客さんにエンターテイメントを提供する団体ならば そのへんは考えてほしかったなと思った。