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劇団メリーゴーランド 音楽劇「夢守の鍵」・ストーリーショー「エターナル・シー」 @文京シビック小ホール 2012/08/19
※本文中に激しくネタバレ含みます!
上演中の公演についてこれから観劇予定の方は閲覧ご遠慮ください。
劇団メリーゴーランド 音楽劇「夢守の鍵」・ストーリーショー「エターナル・シー」
2012/08/19更新 ≪文京シビック小ホール≫ ≪劇団メリーゴーランド≫ ≪2012/08≫
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劇団メリーゴーランド 音楽劇「夢守の鍵」・ストーリーショー「エターナル・シー」 【脚本】 平野華子(音楽劇)、俵ゆり(ショー) 【演出】 仲由恵(音楽劇) 【キャスト】 羽良悠里、華波蒼、綾庭来美、夢音かりん、紗蘭広夢 【日程】 2012年 8月17日、18日 【会場】 文京シビック小ホール 【チケット】 前売・当日 3,000円 小学生以下 2,500円 全席指定席 【公式ブログ】 劇団メリーゴーランド 公式HP ============================ 舞台は19世紀末のロンドン。 探偵事務所には探偵マイクとその従兄妹の占い師オリヴィアがいた。 そこに王族の秘宝を探して欲しいというリリー、 他人の夢に入れる不思議な鍵「夢守の鍵」を暴漢に奪われたため 探してほしいというアネットがそれぞれやってくる。 二つの依頼を進めていくうちに、リリーはいま失踪騒ぎになっている王女、 さらにアネットは理由あって王族を離れて育てられたリリーの姉妹であることが判明。 王族の秘宝=夢守の鍵であり、犯人はアネットのことを想って行動した アネットの育ての父であったことがわかる。 親子愛、姉妹愛を描いた音楽劇。 第一部の「夢守の鍵」については、そんな感じのお話だった。 音楽劇と名乗っていたのでもちろん途中で歌が多数挿入されるのだが、 ミュージカルのようにガッツリ曲を歌うというよりは、 様々な箇所で台詞をリズムに乗せてしゃべってるって部分が多かった。 曲を歌うのではなく、台詞にリズムがついてるって感じ。 半オペラってニュアンスがピンとくるかもしれない。 台詞の発し方、立ち振舞い、そしてメンバーの芸名。 宝塚やそれに類似したものを意識しているのであろうか? しかし正直スケールやクオリティの追いついてなさが目立つ舞台であった。 ちょくちょく台詞を歌としてリズムに乗って歌うわけだが、 「なんでこの台詞を歌ったんだろう」という違和感が終始感じられた。 ミュージカルなどにおいては歌に入るときは、必ず「歌にいくための空気」を作る。 登場人物の感情の爆発だったり、シーンの緊張感だったり、 何かしら歌にもっていくための動機が必要なのだ。 しかしこの舞台では当たり前に空気を吸うように台詞を歌い、 「この台詞は普通に喋るけど、この台詞は歌う」、その理由が全く見えない。 理由なくメロディに乗せただけの台詞にお客が心を打たれるわけがない、 そんなこと考えなくてもわかりそうなものなのだが。 「音楽劇」の定義は昔からあいまいであって、 どれぐらい歌うのかという部分も明確化はされていないが、 どうも損なやり方を選んでしまっている感がいなめなかった。 第二部のストーリーショーでは芝居部分は最小限にされ、 ほぼ歌とダンスのみで構成された40分程度のショーになっていた。 照明がやや地味だったことと、キャストが5人しかいないこともあって 少々こじんまりとしている感はあったが、方向性はしっかりとしていてまとまっていた。 曲もテーマを持って作られているためクオリティが高く、耳にも残る。 うーん、個人的にはこちらのショーのほうをもっと膨らませていったほうが 劇団の公演としては良いのではないだろうか? もちろんそんなことは余計なお世話でしかないのだが。 どうもメインである第一部がお客の心を動かすためでなく、 やりたいことやってる自己満足に見える部分が多かったもので。 「華やかな芸名で華やかな舞台をやりたい」だけではいずれお客は離れていっちゃうでしょ。