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劇団PEOPLE PURPLE 「サヨナラの物語」 @新宿シアターモリエール 2014/01/26
※本文中に激しくネタバレ含みます!
上演中の公演についてこれから観劇予定の方は閲覧ご遠慮ください。
劇団PEOPLE PURPLE
「サヨナラの物語」
2014/01/26更新 ≪新宿シアターモリエール≫ ≪劇団PEOPLE PURPLE≫ ≪2014/01≫
劇団PEOPLE PURPLE 「サヨナラの物語」 【脚本・演出】 宇田学 【キャスト】 植村好宏、森下ひさえ、柏村有美、濱谷晃年、吉井ミワ、片山誠子、 谷野まりえ、楠瀬アキ、伊部夢花、奈古あゆ未、野村亮太、柳川奈央、 嶋田彩華、吉見茉莉奈、金田侑大、金田怜奈、 菅野良一 (演劇集団キャラメルボックス)、泉祐介(放映新社)、他 【スタッフ】 舞台監督: 青野守浩 照明: 三浦あさ子 音響: 児島塁 (Quantum Leap*)、今里愛(株式会社エスエフシー) 小道具: ナゴ 衣装: 伊部夢花 【日程】 2014年1月23日(木)〜1月26日(日) 【会場】 新宿シアターモリエール 【チケット料金】 前売 4,200円 当日 4,600円 【公式ブログ】 http://people-purple.com/ ========================================== 小説家を目指している赤川。 しかし彼の原稿を受け取ってくれる出版社はおらず、 バイトで食いつなぎながら妻子を養っている苦しい生活を送っていた。 そんなとき自分が病気で余命がないことを知らされる。 自分が家族のために何も残せないことを焦った赤川は、 必死に出版社に自分の原稿を持ち込んで本にしてくれるように懇願するが、聞き入れてもらえない。 そんなとき突如現れたレンと名乗る女性編集者が、 赤川の原稿で本を出版したいという話を持ちかける。 レンは実は赤川が幼少期に飼っていた犬の魂が恩返しに具現化して現れた存在であった。 レンの後押しを受けた赤川は残された時間を家族とともに過ごし、 家族についての本を書き上げる。 そして妻に別れをつげ、永遠の眠りに。 赤川の死後、本屋に並んだ彼の最後の作品を手に人々は彼への思いに耽る。 幕。 だいたいこんな感じのお話。 上演時間はほぼ2時間ぐらいだった。 主人公がキャラメルボックスの菅野良一であり、 脚本も現代モノのファンタジーだったため、 終演後はなんとなくキャラメルボックスの作品を観たなぁって印象が残った。 関西の団体らしいので普段の作風は知らないが、 いつも大体こういうテイストの芝居をやっているのだろうか。 物語の早い段階で病気が判明し、そこから妻へ打ち明けて実家の父に打ち明けて、と お涙頂戴のシーンが立て続けに続くのがちょっとアレだったかな。 客席は鼻水をすする音で充満していたが、 同じような悲しみのシーンの連続に、観ていて疲れてしまった感はある。 作り手のほうからの「ココいま感動的なシーンです!」って提示が強すぎるのかもしれない。 さらっと淡白にやってくれたほうが心にズシリとくることもあるので、 そういう手法との使い分けがあればより良かったのではないかなと思う。 役者は個性的なキャラが揃っていて、 それぞれ目を引く演技をするし、笑いの取り方が巧い人も多いなと思った。 このメンバーならだいたいどんな芝居やってもハズレは作らなそうな、そんな安心感のある役者陣。 個人的に惜しいなと思ったのは、 赤川ファミリーのエピソードと、母を介護する女の子のエピソードがほとんどリンクしていなかった点。 どちらも幼少期の飼い犬が恩返しに現れるという部分で共通項はあるが、 まったく別の話の2本オムニバス作品みたいに見えてしまったので、 もう少しお互いの話が絡み合っていたほうが深みがあって良かったかもしれない。 話の筋はただでさえシンプルであったし。 しかし、見ているお客の心を大きく動かしたからこそのダブルコール。 関西が活動拠点のようだが、関西で続けるにしろ、東京に進出していくにしろ、 これからの活動が楽しみに思える団体だなと感じた。 次に期待。