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野戦之月海筆子 「蛻(もぬけ)てんでんこ」 @夢の島公園 テント劇場 2013/05/06
※本文中に激しくネタバレ含みます!
上演中の公演についてこれから観劇予定の方は閲覧ご遠慮ください。
野戦之月海筆子
「蛻(もぬけ)てんでんこ」
2013/05/06更新 ≪夢の島公園 テント劇場≫ ≪野戦之月海筆子≫ ≪2013/05≫
野戦之月海筆子 「蛻(もぬけ)てんでんこ」 【脚本・演出】 桜井大造 【キャスト】 濱村篤、ばらちづこ、渡辺薫、森美音子、崔真碩、阿花女、段恵民、 武内理恵、ロビン、志衣めぐみ、リュウセイオー龍、春山恵美、桜井大造 【日程】 2013年5月1日(水)〜5日(日) 【会場】 夢の島公園・第五福竜丸展示場前広場・テント劇場 【チケット料金】 前売 3,000円 当日 3,300円 中高生 1,500円 小学生以下 無料 【公式HP】 http://www.yasennotsuki.com/ ========================================== 『蛻てんでんこ』は「蛻」という町を物語世界とします。 そして、その町自体が主要なテーマとなります。 町をループする過去と未来の時間帯とともにテントの時間も流れます。 地区にある古いデパートは大蛤の蜃気楼に飲まれ現在は蛻の殻ですが、 「蝿の王」なる人物が買い取り、ビー・フライという蜂の代行をする蝿や、 医療用食用の蛆、美容用の蛭などが飼育されています。 また、サッド・ウェスト地区にはすでに用途不明となった 「虹」という元公共施設がありますが、 そこからは青少年たちが逃走を企てています。 キタ地区は不法投棄された廃棄物が堆積した荒れ地ですが、 黄昏に黒い月がかかり裸虫がばらばらに集まり焚き火を囲んでいます。 このような空間で、裸虫はそれぞれのトラウマと格闘します。 しかし。トラウマはすでに未来のものでもありました......。 以上こりっちから転載。 あらすじを見てもらえばわかるとおり、 全然わからない内容だった(笑) それも2時間30分の長尺で。 もうまさにアングラを突っ走る作風で、 役者はほとんどのセリフを正面切ってアジるように吐いていた。 しゃべっている内容もこの芝居独特の用語だらけで、 その意味を理解するのに非常に頭を使うし、 正直頭を使っても結局はどういう意味なのかよくわからない(笑) 完全に「観て感じる」タイプの作品だった。 「観て感じる」に近い系統としては野田秀樹などもあるのだが、 あちらとは比べ物にならないぐらいに内容が難解。 どんなに世界観を独特にしても良いのだが、 もうちょっと客にとってとっかかりになるワードを混ぜてくれたら 入っていきやすいのになぁと思った。 やっぱり雰囲気だけでなく、ストーリーだって楽しみたいもの。 あと役者の力量に差があったのが残念かな。 序盤から最後まで終始長ゼリフのオンパレードなのだが、 ただアジるように歌い上げるのと、意味を踏まえた上で抑揚をつけるのとでは お客に伝わってくるものが全く違う。 後者のセリフの吐き方をする役者がもっと多ければ 内容の理解度ももう少し高まったかもしれない。 テント芝居ということで、奥から軽トラが土をぶちまけたり、 口に含んだ水を何度も噴き出したり、手動エレベーターがあったり、 ラストは全員で火を炊いていたりとやりたい砲台だった。 こういうテント芝居ならではの独特の演出はやはり面白い。 単純に見た目だけで面白い部分もあるので、 もうちょっと敷居の低い、エンタメ性の高い作品だったらより良かったなと思った。 別に、万人ウケする作品を目指すことが常に正しいわけではないが、 コア客を逃がさずに間口を広げることは可能なはず。 スーパー歌舞伎のように、時代とともに変化していくテント芝居。 そんな風になっていったらいいなと勝手に思ってみた。