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からふる #006 「『パパなんて大嫌い』と『さとうさんち』」 @絵空箱 2013/11/14
※本文中に激しくネタバレ含みます!
上演中の公演についてこれから観劇予定の方は閲覧ご遠慮ください。
からふる #006
「『パパなんて大嫌い』と『さとうさんち』」
2013/11/14更新 ≪絵空箱≫ ≪からふる≫ ≪2013/11≫
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からふる #006 「『パパなんて大嫌い』と『さとうさんち』」 【作・演出】 屋代秀樹(日本のラジオ) 【キャスト】 加藤エン(知的快楽部)、廣島梨乃、内田美和子、村山新、山口祐介、 羽瀬文野(劇団ポストマン)、明光寺千晃、遠藤ちえ、仲田沙良 【スタッフ】 照明: 鈴木千晴 音響: 吉岡歩 舞台協力: 新井和幸 宣伝美術: 五十嵐沙紀 写真撮影: 赤荻梨紗 制作: からふる 企画: 吉岡歩 【日程】 2013年11月14日(木)〜11月16日(土) 【会場】 絵空箱 【チケット料金】 一般 2,500円 (ワンドリンク付) 【公式HP】 http://karafuru.blog.shinobi.jp/ ========================================== 『パパなんて大嫌い』と『さとうさんち』の2本立て。 『パパなんて大嫌い』は、喫茶店を舞台にしたドタバタコメディ。 だらしのない店長とバイト女性2人で経営している寂れた喫茶店に、借金取りがやってくる。 さらに別れた女房がやってきて、娘を引き取ると強く主張する。 とどめにかかってきたのは、娘を誘拐したという身代金を請求する脅迫電話。 もうお店の中はてんやわんやの大混乱。 最終的には店長が吹っ切れて男気を発揮、借金取りが持っていた所持金を強引に借り、 身代金受け渡しの場所へ向かい、お店の外へ駆け出していく。 店長のらっきょうのこだわりの話を聞いて心を動かされていた借金取りは わざとそれを見過ごす。 元妻は吹っ切れた店長の姿に胸キュンして彼を追いかけていく。 めでたしめでたし。 『さとうさんち』も1本目と時系列を同じくしたドタバタコメディ。 空き巣、そこに荷物を運んできた宅配員、その荷物の中に入っていた女子高生。 この3人が、ひょんな偶然からあるアパートの一室に閉じ込められてしまう。 そのアパートの部屋主「さとうさん」はどうやら猟奇的な誘拐犯。 帰ってくるまでに脱出しなければただでは済まない。 トラップだらけの部屋の中でケンカしながらも協力し合って なんとか脱出への道を模索する3人。 「さとうさん」が帰宅したところを不意を突いて襲い掛かる作戦を立てた彼ら、 そこに誰かが部屋に入ってくる、ってところで幕。 ドタバタコメディとしては全体的にご都合主義部分が多過ぎた感があったが、 シンプルでフットワークの軽い笑いが多く、単純に楽しめる作品だった。 個人的には頭を使う作品のほうが趣味なのだが、 こういう何も考えずに見ても素直に楽める作品も良いものだなと思う。 ただ1本目は、ドタバタレベルがやや物足りない印象があったのが残念。 登場人物間の誤認や入れ違いがもっと大きいレベルで発生し、それがより長く持続すれば、 さらに痛快なドタバタになって面白かったのではないかなと。 2本目は設定がちょっとムチャ過ぎ?(笑) 脚本そのもののコント色が強すぎて、 登場人物の真剣さがいま一歩伝わってこなかった 笑いを狙いにいってる姿勢が見えちゃうと、見てるこっちは萎えてしまう。 まぁ、それでもネタはそれぞれ十分面白いのだけれども。 最後の終わり方は個人的には消化不良感。 無理やり終わらせた感があって、なんだかスッキリしない感覚が残ってしまった。 1本目で誘拐された娘が、実は2本目の女子高生であったり。 喫茶店に冷やし中華の出前を注文する電話が、実はアパートから助けを呼ぶための電話であったり。 運送屋の女性の交際相手が、実は1本目の借金取りだったり。 いろんなところが2作品の間でおもしろおかしくリンクしてるのは良かった。 おもしろかったけど、かなりコント寄り。 コントではなくコメディとして完成されたものをまた観たいなと、 そう思える作品だった。