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CAP企画vol.5 「A-15〜アイゴ〜」 @中野MOMO 2012/03/08
※本文中に激しくネタバレ含みます!
上演中の公演についてこれから観劇予定の方は閲覧ご遠慮ください。
CAP企画vol.5
「A-15〜アイゴ〜」
2012/03/08更新 ≪中野MOMO≫ ≪CAP企画≫ ≪2012/03≫
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CAP企画vol.5 「A-15〜アイゴ〜」 脚本・演出: 鄭光誠 出演: 金恵玲、安岡和弘、森田兼史、中山佑太、保土田充、西山聖了、吹上かずき 北川宏美、相原えみり、佐藤衣里子、木原梨里子、栗林真弓、川田友紀、 西本桃、小関佳奈子、パク・チュンソン 公演日時: 2012年2月28日(火)〜3月11日(日) チケット料金: 前売3,200円、当日3,500円(全席指定席) 場所: 中野MOMO =============================== ストーリーをざっくり書くと、 一流企業を辞めてフリーター生活してる主人公、劇団の座長、韓国留学生、 バツイチのスナック経営の女性などの個性的な人間が住んでいるシェアハウス。 そこに在日の女の子が新たに引っ越してくる。 各々が家族関係、差別、劇団の運営などについていろんな事情と想いを抱えており、 それに悩みつつも自分のあるべき姿を見つけていく。 まぁ、そんな感じのお話だった。 ストーリー自体はよくあるベタなお話。 これに似たような作品はドラマでも舞台でもたくさん観てきた。 ああ、このパターンの話かって感じで飽食気味に感じる部分もちょっとあった。 しかし見せ方が非常に良く出来ていてとても入り込みやすい。 音も、光もとても心地よいタイミングで入ってくるし、 会話シーンもテンポの取り方が上手くて、聞きやすく飽きにくい。 これは演出の力だろうか。 大人数がパーティーで騒ぎまくってるシーンでもフォーカスが散らからず、 舞台のどこを見ていいのかちゃんとこちらに暗黙的に伝えてくる。 役者全員がちゃんと「いま現在あるべきフォーカス」を理解しているんだろう。 大人数シーンでこれができるかできないか、それでその集団の地力がわかる。 印象に残ったのはフリーターの主人公と在日のヒロイン。 笑って、怒って、泣いて、そして成長していく。 とてつもなく人間臭く。 私は、芝居において演技が上手いかどうかっていうのはもちろん大事な要素だが お客にとって単に魅力的な人間に映るかどうかっていう要素も同じぐらい大事だと思っている。 ほかのキャストもそうなのだが、この二人はとくに人間的な部分で魅力的に感じることができた。 そんな魅力的な人達が思い悩み、葛藤するからこそ見ているこちらも共感し、感動する。 この芝居の主軸として二人の存在はかなり大きかった。 おかげで非常に楽しめる作品だったと思う。 ただ気になったのは窃盗団の存在。 ストーリー的に必要性が全くないように思ってしまったのだが・・・。 窃盗団が忍び込んだことでシェアハウスの人間関係に何か影響があったわけでもないし、 かなり小ネタに走っていたせいで全体の中で浮いてしまっている印象もあるし。 意図的に笑いのアクセントとして入れているのであったなら もっとガッツリ笑いをさらっていってほしかった(滑るかややウケしかなかった)。 しかも、主人公達のこれぞという感動できるラストシーンが終わり、 いい音楽が入ってこのまま暗転して終わるのかな、って流れでまさかの窃盗団シーン。 それもシェアハウスに忍び込んで見つかって逮捕されるまでというそこそこの長尺で。 そしてエンディングへ。 何故この順番にした(笑)(笑) これシーンの順番逆にしたほうが良かったのでは。 あ、あとなんで「A-15〜アイゴ〜」ってタイトルにしたんだろう? シェアハウスの名前がA-15(通称アイゴ)なのだが、あまり劇中では触れられず。 別に『そのお芝居の内容を総括したタイトルをつけるべきだ!』なんて固いことは言わないが、 あまりにアイゴってワードが劇中で印象にないので、なんだかなぁと思ってしまった。 そのへんが気になった以外は完成度の高い、良い舞台だったと思う。 CAP企画、今後も気にしてみよう。