日々是劇評

関東圏内で観劇した舞台について率直に感想を書いています。
自分用の備忘録みたいなもんなんで遠慮なく辛口な批評もしています。

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劇団宇宙キャンパス19th act 「つきあたりを見上げれば…」  @吉祥寺シアター 2013/04/10

※本文中に激しくネタバレ含みます!
 上演中の公演についてこれから観劇予定の方は閲覧ご遠慮ください。


劇団宇宙キャンパス19th act
「つきあたりを見上げれば…」

2013/04/10更新  ≪吉祥寺シアター≫ ≪劇団宇宙キャンパス≫ ≪2013/04

劇団宇宙キャンパス19th act 「つきあたりを見上げれば…」 劇団宇宙キャンパス19th act 「つきあたりを見上げれば…」

劇団宇宙キャンパス19th act 「つきあたりを見上げれば…」

【作・演出】
小林ともゆき

【キャスト】
A日程
佐藤祐治、小林真弥、柳瀬翼、芳賀信吉、 石戸サダヨシ、脇本昌彦、キムラシゲオ、
平元佳奈、塩崎こうせい(X‐QUEST)、大多和愛子(FEVER DRAGON NEO / MediaFactory)、
玉渕正紀、かわもとゆうき、立石亮、かわらじゅん(オフィスジョイ)、宮崎優美、
吉田弥生、SUMIO(Re:Play)、品川知美、神越夢美子(ベストポジション)、
えんどうたいと、谷口洋行、鎌田英幸

B日程
菊田健吾、キムラシゲオ、上岡一路、弦巻秀人、田口暁子、平元佳奈、
大田原りな、柳橋龍、岡本弘実、一石よしふみ(JACKPOT)、
美濃宏之(劇団東京ルネッサンス)、安見謙一郎(UDATSU)、矢野和明、
弥浦ちえ(BuddySystem)、田代ナオ(帝京大学ヴィクセンズシアター)、
吉村和紘(潟}ック・ミック)、尾鷲知恵(マグネシウムリボン)、
仲澤剛志、渡辺ルナ、小林勝弥(薫風武隊)、鈴木俊哉、
山本ともだち(バッカマンズ)

【日程】
2013年4月4日(木)〜10日(水)
全10回公演

【会場】
吉祥寺シアター

【チケット料金】
前売り券 3,000円
当日精算券 3,300円
当日券 3,500円
学割 2,000円(高校生以下・要学生証提示)
リピーター割引 2,000円(半券持参)

【公式HP】
http://uchucan.web.fc2.com/

==========================

とある繁華街の隅にたたずむ寂れた喫茶店でのお話。
そこはグータラな従業員たちが働いていて、
訪れるお客もゲイバー務め、売れない芸人、ギャル、キャバ嬢、ヤクザなど
一風変わった人種ばっかり。

お世辞にも喫茶店として立派とは言い難いお店だったが、
みなそれなりに楽しくドタバタの毎日を送っていた。

そこにタチの悪いホストとそれに騙されているキャバ嬢がやってくる。
そのキャバ嬢の友人が彼女をなんとか助けてほしいと訴え、
店員とお客みんなで協力、うまく解決する。

また平穏な日常が流れるかと思いきや、
そこにお店をカジノにするために別の大物ヤクザが乗り込んでくる。
すでにオーナーとは話がついていて、喫茶店の閉店を強要されてしまう。
店を愛している店員と客はなんとか店を守ろうと画策するが、
結局はうまくいかず、店のケツもちヤクザが大物ヤクザを殺害(?)してしまう。
店は結局閉店へ。

しかしそれから幾らかの時が過ぎ、また新しくお店を開くことに。
懐かしのメンバーが集まっていい感じで大団円。


まぁ、流れとしてはだいたいこんな感じのストーリー。


いくらなんでも脚本が陳腐すぎると思った。
プロット書いてんのかなコレ。
いきなり頭からノープランで書き出したような陳腐さ。

20人以上も登場人物がいるのに人間関係の描写は浅く、
おもしろおかしい人達とりあえず並べてみましたって印象を受けた。
放り込んでくるネタも、ややウケかスベッてるものが多くてイマイチ。

前半のキャバ嬢を救う話と後半の乗っ取り騒動が完全に独立してるのも違和感があった。
2つのエピソードが全く連携していなくて、2本立てオムニバス公演見せられた感じ。
こんなだったら、どっちかに絞って膨らませたほうが良かったのではないだろうか。
要素を詰め込みすぎてグダグダになってる失敗はいっぱい観てきたが、
エピソードの連携が全くなってなくてグダグダになってるパターンは珍しい。

あと主人公のマサキに全く共感できなかったのが痛い。
「頭が良くなくてむこう見ずで自分の信じたことに真っ直ぐ突き進む」ってだけならいのだが、
そこに「身勝手さ」と「都合の良さ」と「思いやりのなさ」が入っているため、
どこからどうみても完全にゆとり全開の「ヤな奴」でしかないのだ。
状況を読まずにあれは嫌だ、これは嫌だ、って反抗ばかりしていて、
でも行動は人頼みで自分自身の力ではなにもしない。
そんな人間ががラストシーンでどんな素晴らしい独白をしたところで
お客はシラけるばかりだ。


そしてラストシーン。
なんであっさりお店復活・・・?

あれだけ悲壮感たっぷりに解散していったのに。
何か大事なセリフ聞き漏らしたのかなと思ってこりっちの感想を眺めてみたが、
やはり皆同じような印象を受けていた。

2時間超えで、正直削れるシーンも多かったのに、なんで結末がこんな描写不足なんだろうか。
この理不尽なハッピーエンド、登場人物がテンション高く喜べば喜ぶほど
こちらにはキツネにつままれたような後味の悪さが・・・。

しかも後から知ったのだが、この作品は再演らしい。
もし初演でもラストシーンが同じ展開だったのであれば、
アンケート等で同じような否定的な意見がいっぱい寄せられていただろうし、
脚本家以外の劇団メンバーもこの部分に疑問を持たないわけはないと思うのだが。
再演なのに何も練らずにこれを提出してきたのであれば、劇団としての在り方に失望する。

さらに厳しい言い方になるが、そもそもこの脚本、全体的なクオリティが低過ぎる。
はっきり言ってこの本は「再演するに値する本」でないと思う。
なぜ再演しようってことになったのだろうか。


店長役や、ヤクザの兄貴分のほう(ケツ持ち側と広域側の両方とも)あたりは
個人的にその演技に好感を持てたし、
セットは豪華で、オープニングの映像と役者のコラボも良質。

良いところもあっただけに余計に残念に思う作品だった。


 

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