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MS2 「ダイヤモンドダスト・ドリーム」 @中野ザ・ポケット 2014/01/07
※本文中に激しくネタバレ含みます!
上演中の公演についてこれから観劇予定の方は閲覧ご遠慮ください。
MS2
「ダイヤモンドダスト・ドリーム」
2014/01/07更新 ≪中野ザ・ポケット≫ ≪MS2≫ ≪2014/01≫
MS2 「ダイヤモンドダスト・ドリーム」 【脚本・演出】 鷲田照幸 【キャスト】 深澤佑樹・秋山莉奈・齊藤涼祐・鈴木克昌・本東地勝 福田千明・堀畑杏奈・鍋本帆乃香・小澤輝大・秋月幸太郎 芹沢愛美・水沼佐和子・堀江夏希・佐藤聖也・渡邉康輝 Sheena・吉田直弥・白鳥ユリカ・金沢貴史・栗原幸子 三輪恵・野ア塁・田中実穂・羽川桜和子・蒔村三枝子 【日程】 2014年1月7日(火)〜1月12日(日) 【会場】 中野ザ・ポケット 【チケット料金】 一般 3,900円 【公式ブログ】 http://ms2ms2.blog.fc2.com/ ========================================== 東京の劇団で活動する主人公の青年が久しぶりに故郷に帰ってくる。 しかし彼は役者の厳しい道に挫折しかけていた。 そんなことは知らない元同級生は勝手に計らって、 地元の高校の演劇部を巻き込んだ町おこしの演劇事業の指導をすることに。 演目はシェイクスピアの「夏の夜の夢」で、しかもしかもミュージカル仕立て。 全国大会常連のお嬢様校と勝負をして仲間に引き入れ、 いろんな困難を乗り越えてミュージカルの上演を目指す。 無事に公演を成功させたとき、メンバー達はそれぞれの道を見出していた。 そのとき、何十年に1度しか起きないダイヤモンドダストが発生して彼らを祝福する。 だいたいこんな感じのお話。 上演時間は1時間50分ぐらいだった。 いやー、荒い。 若いといったほうがいいのだろうか。 それとも浅いといったほうがいいのだろうか。 ストーリー展開がいくらなんでもご都合主義すぎで、アラも目立つ。 風呂敷を広げすぎて話の筋が全くまとまってないのだ。 主人公の役者としての苦悩、昔好意をもっていた後輩との関係、同級生の病気、 町おこしと理事長(だっけ?)の想い、元ダンサーの掃除のおばちゃん、 お嬢様校との対決、公演とその成否。 詰め込んだ要素が多すぎて、広く浅くとっちらかってしまっていたように思う。 演出も暗転が多くてゲンナリ。 転換をクロスでやらない意味がわからない。 あと選曲と曲のきっかけも微妙だった。 役者は何人かできる人が混じっていて、 それだけにもったいなく感じる部分が多かった。 あと、これは完全に個人的な意見。 見ていて不愉快に思ったのは、登場人物達が「芝居ナメてる」ように見える点。 「お嬢様校と○○できます」なんていう詐欺まがいの看板で部員を勧誘し、 実際それで入部してきた男たちはこぞって恋愛して、カップルが5組も6組も成立するのだ。 いったいナニに情熱を燃やしている人達のお話なのだか。 そんな姿が観ている側の心を動かすことはない。 さらには、本番当日にディミートリアス役とヘレナ役の生徒2人が仮病を使い、 その代役としてそれぞれの高校の顧問達を板に上げる(主人公とヒロイン)。 恋人役を彼らに演じさせてお互いの心に火をつけようというのだ。 周りはそれに積極的に協力し、終演後もそれについてはお咎めなし。 ・・・これまで練習してきた生徒はそれでいいの? 急遽代役を立てたことで作品のクオリティは下がるけどそれでいいの? もう一度いう、それは芝居ナメてる。 もちろんフィクションの話なので、その中の登場人物にどうこう言ってもしかたがないのだが、 この『芝居ナメてる行為だらけの登場人物が描く青春群像劇』を、 脚本家が演劇作品として成立すると思って書いているのなら、閉口としかいいようがない。 自分が知っている『芝居に対して真摯な人間』なら、絶対にこんな本は書かない。 いつものごとく『次に期待』で文を〆たいところだが、 次は・・・ないな。