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SORAism company 第13回公演 「Present for me」 @日暮里 d-倉庫 2013/12/12
※本文中に激しくネタバレ含みます!
上演中の公演についてこれから観劇予定の方は閲覧ご遠慮ください。
SORAism company 第13回公演
「Present for me」
2013/12/12更新 ≪日暮里 d-倉庫≫ ≪SORAism company≫ ≪2013/12≫
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SORAism company 第13回公演 「Present for me」 【脚本・演出】 塩澤剛史 【キャスト】 さとうちえみ、横山周、埴生雅人、清水恭子(ACJ)、牟田朱莉沙、野村優、 濱屋純、椎名凛、古賀伸也、緒形奈々美、竹中義能、綾原あさ美、 杉浦亜美(エーライツ)、オビカジロー(東京アザラシ団)、神条忍、塩澤剛史 【スタッフ】 舞台監督: archi 舞台美術: 鎌田朋子 照明: 宮崎正輝 音響: 吉田望(ORANGE COYOTE) チラシ絵: 佐藤智恵美 受付: 金子由樹 制作: SORAism company 【日程】 2013年12月11日(水)〜12月15日(日) 【会場】 日暮里 d-倉庫 【チケット料金】 前売 3,500円 当日 3,800円 平日マチネ割 2,800円 ペア割 6,500円(2名分) DM割 3,000円 【公式HP】 http://soraism.poo.gs/ ========================================== サンタクロースが腰を痛めて動けなくなってしまったことで、 代わりにサンタの仕事をしなければいけなくなってしまった妖精ニッセ。 ニッセは自分の代わりにサンタの仕事をしてくれる人材を求めて行動に出る。 場所は代わって、豪華客船による船上パーティーの会場。 ニッセはそこに招待されていた探偵の神薙刀に目をつけたのだった。 最初はニッセの依頼を拒む神薙刀だったが、そこでシージャック事件が発生、 船は大爆発を起こしてその場にいた全員が死亡してしまう。 生と死の狭間の世界の中、ニッセは神薙刀に交渉を持ちかける。 それはサンタをやってくれるなら、神薙刀を爆発の少し前の時間に戻してあげるというもの。 その約束を飲んだ神薙刀はシージャックを阻止して爆発を止めるべく行動に出る。 しかしシージャック犯はただの学生たちによるドッキリ。 再び船は爆発してしまい、失敗してしまう。 その後何度チャレンジしても船は爆発してしまい、事件の真相はなかなか見えてこない。 ついに突き止めたと思われたクルージング会社の専務でさえも、爆破犯ではなかった。 そして神薙刀はついに真犯人に辿り着き、事件を解決する。 幼馴染の綾子に最高のプレゼントを贈ることができた神薙刀。 しかし公安のうっかりにより再度船は爆発してしまう。 「またやんのかよー!」 幕。 だいたいこんな感じのお話。 上演時間は100分ぐらい。 正直言って最初はどうしようと思ってしまった。 内輪ウケの前説、大学生ぐらいの若い役者の過剰な演技、 次々に出演者が出てきて煩雑に情報をばら撒いていく展開。 「うわー、もしかして痛い芝居にあたってしまったか」と心配してしまった。 しかし一度船が爆破して、タイムスリップが始まってからは展開が一転。 失敗を繰り返しながらも着実に情報を集めて、 少しずつ事件の真相に近づいていく推理ミステリーものになってからは 非常に面白くなって、常にワクワクしながら観ることができた。 ミステリーとしては、お客が主人公と同じ視点で展開するタイプ。 神薙刀が無駄に天才でないのがいいね。 謎を解いていく速度がお客のそれと非常に近いし、 個性的なまわりの人間に対してのツッコミがしっかりとお客の心情を代弁できている。 主人公と観客とで、知識も心情もリンクがしっかりとされるので お客は自然と物語の中にのめり込んでいけるのだ。 神薙刀を演じていた塩澤剛史が安定していたってことも良かった。 全体的にみて役者スキルが決して高くないメンバー構成だったのだが、 事件の真相探しになってからは彼はほぼ出ずっぱりでセンターポジション。 主軸になる彼の演技力がしっかりしているので、 常にシーンが一定以上のクオリティを保つことができていた。 何度も事件の瞬間を繰り返すってのはちょっと前に映画であったばかりだし、 推理モノとしての筋書きは、いかにも犯人っぽい人がいたと思ったら、 実は真犯人は幼馴染(厳密にはちょっと違うけど)、というようにベタな展開。 でも必要以上にこねくり回さずにシンプルな展開にしていたことに逆に好感を持てた。 綾子が妹を引き止めてる部分だけ惜しかったかな。 ちょっと露骨にやり過ぎて、伏線としての提示が強すぎたように思う。 早い段階でお客に「綾子に何かある」って悟られ過ぎるのは、お話としてもったいない。 非常に楽しく観ることができた。 あとは全体的なキャスト陣のスキルがもう少し上がればなと思う。 これからもより良い作品を目指してほしい。 また次に期待。