日々是劇評

関東圏内で観劇した舞台について率直に感想を書いています。
自分用の備忘録みたいなもんなんで遠慮なく辛口な批評もしています。

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Re:Play 「リプレイ」  @アトリエだるま座 2013/12/15
Re:Play 第三回公演 「犯罪者」  @RAFT @東中野 2013/01/27

※本文中に激しくネタバレ含みます!
 上演中の公演についてこれから観劇予定の方は閲覧ご遠慮ください。


Re:Play
「リプレイ」

2013/12/15更新  ≪アトリエだるま座≫ ≪Re:Play≫ ≪2013/12

Re:Play 「リプレイ」

Re:Play 「リプレイ」

【脚本】
井村容子

【演出】
小林ともゆき

【キャスト】
ZYNM、児玉尚幸、石戸サダヨシ、波多野孝、柾木元一郎、
井村容子、福田源八、SUMIO

【スタッフ】
音響: 石井宏幸
照明: 福田源八、佐々木彩
振付: SUMIO

【日程】
2013年12月13日(金)〜12月15日(日)

【会場】
アトリエだるま座

【チケット料金】
一般  2,500円

【公式ブログ】
http://ameblo.jp/re-play2011/

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インターネットで奇妙な噂が流れていた。
とある公園のホームレス達の中に「ヌシ」という男がいて、
その男のスープを飲むと人生をやり直すことができるらしいという噂。

闇金融の仕事に疲れ、妻との関係にも疲れた男・市川は
このスープの噂を聞きつけ、公園でヌシを探していた。

市川はホームレスの仲間に加わり、共に公園で時を過ごす。
メンバーは、母親から虐待を受けてトラウマを抱える男、
試合中に相手を殺してしまったボクサー、元警官など様々。
スープは飲む前の記憶を彼らから奪っていた。

そんなとき市川の妻・睦美が市川を探しに公園にやってくる。
市川の目の前でヌシにスープを飲まされ苦しむ睦美。

実は睦美を含め全ての仲間達は、前世で市川と関わりを持っていた。
そのときに追った心の傷は、スープを飲んで記憶を消しても癒えることはない。

ホームレスの仲間と別れを告げ、
スープによって精神が壊れてしまった睦美を看病する市川。
そのとき睦美が繰り出した言葉は「裏切ったな」。
襲い掛かる睦美により崩れ落ちる市川の姿を映しながら暗転。

幕。


うん、なんともあらすじ書きづらい話(笑)
前世の記憶を遡る回想がちょくちょく入るし、ちょっと文章では説明しにくい。
上演時間は1時間30分ぐらいだったかな。


終始暗い雰囲気の中で、人間のキレイでない部分の心情を主として描写していた。
10月に公演していたOi-SCALEの「武器と羽」に非常に近い空気かな。
公園のホームレスを扱ってる部分も似てるし。

役者それぞれが落ち着いた写実的な演技でシーンを展開し、
きっちりとそういった裏の含みのある感情を表現できていたと思う。
少人数の芝居で役者にみな地力があるので、非常に見やすくてダレることもない。
ここ最近、若い役者のテンション頼りの芝居ばっかり観てたんで、こういうの観ると安心する(笑)


しかしヌシの設定って老人だったのかな?
個人的には、演じる役者に相応の年齢設定で良かったのではないかなと思う。
どうしても「老人を演じようとしている若者」の姿に見えてしまい、
その戯画化された演技が、全体で通していた写実的な演技に水を挿してしまっていた気がする。
けっして下手とかではないのだけども。
こちらに呼吸を読ませない独特なセリフの間の取り方には何度もドキッとさせられたし。


あとヌシって結局なんだったのだろうか。
神様?悪魔?もしくは死神的な?
その正体が何であろうとそれは別にいいのだが、
彼の行動動機が最後までわからなかったのだけ引っかかった。
ただの自分の読解力不足だったらスンマセン。

ただ、好みとしてはもうちょっと高尚な存在だったほうが良かったかも。
怒りの感情を出しているときにやや小物な感があったので。


市川がスープを飲まずに正気を保っていたのに何故ホームレスと行動を共にしたのか、
(家庭と仕事を捨てての家出なら愛人宅にずっと転がりこんでいれば済む)
前世の繋がりを忘れている市川がそこまで責められなきゃいけないものなのか、
いくつか疑問が残る部分もあったが、
ストーリー全体としては非常に面白い展開の仕方をする、良く出来た作品であったと思う。
演出面でも光の入れ方なんかは「おっ」と思う部分が多かったし。

また次に期待。


 


Re:Play 第三回公演
「犯罪者」

2013/01/27更新  ≪RAFT @東中野≫ ≪Re:Play≫ ≪2013/01

Re:Play 第三回公演  「犯罪者」

Re:Play 第三回公演 「犯罪者」

【作】
井村容子

【演出】
小林ともゆき

キャスト】
ZYNM、石戸サダヨシ、児玉尚幸、SUMIO、波多野考、
井村容子、美濃宏之(劇団東京ルネッサンス)

日程】
2013年1月24日(木)〜1月27日(日)

【会場】
RAFT @東中野

【料金】
前売り/当日共 2300円

【公式HP】
Re:Play公式ブログ

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5人の男と1人の女が「犯罪」について、
ある戯曲を演じながら考えていく、そういった感じの作品。

メインキャストとして、浮気が原因で妻と離婚したサラリーマン、その浮気相手、
新興宗教にハマる男、ホスト、医者、二次元オタクがいて、
それぞれの話が連携しながらもオムニバス的に流れていく。

舞台セットはほとんどなく、着替えは舞台奥に全て並べてあり、
役者が後の方で衣装チェンジをしている姿はお客から見えた状態。
ハケ口の概念もないので全方位からめまぐるしく役者が出入りしていく。


6人の役者がメインキャストを演じつつも、その場面に合わせて様々な役をこなし、
どんどんとストーリーを展開させていた。
1人あたり5〜8役ぐらいあっただろうか。
どの役者もそれぞれ力量があって、メイン役以外での演じわけもしっかりしていたため
好感を持って最後まで見ることができた。

個人的にはストーリーの盛り上がりが中盤にあって、
後半やや尻すぼみかなという印象はあったが、
人間の心の闇の部分を掘り起こして描いていたそのテーマは良かったように思う。
最後のシメの「なんでもいいんじゃない」的なうやむや感はちょっとアレだけど。


あと、この舞台、開場後の客入れの時点から役者が舞台にスタンバっていて、
素で雑談をしたりストレッチしたりしていたのだが、
まぁ、コレ自体は演出としてアリだと思う。
ただ、それをしながら入場してくるお客に「いらっしゃいませ」と役者が挨拶するのは違和感を感じた。

お客に「いらっしゃいませ」の挨拶をするきちんと礼儀を保った状態、
素の状態でリラックスしながら仲間とダラダラおしゃべりして盛り上がってる状態、
この2つの両立は無理じゃないだろうか?
今回の客入れに気持ち悪さを感じたのは自分だけではないと思うのだが。

考えすぎ?


 

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