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劇団SSP 「Up With Future 〜Synchronizer〜」 @日暮里 d-倉庫 2014/02/26
※本文中に激しくネタバレ含みます!
上演中の公演についてこれから観劇予定の方は閲覧ご遠慮ください。
劇団SSP
「Up With Future 〜Synchronizer〜」
2014/02/26更新 ≪日暮里 d-倉庫≫ ≪劇団SSP≫ ≪2014/02≫
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劇団SSP 「Up With Future 〜Synchronizer〜」 【脚本・演出】 杉本仕主也 【キャスト】 石渡秀一、神楽坂清一朗(劇団J.A.M!)、鈴木征爾、武田信大、野口俊丞、橋本恵祐、 福嶋孝幸、よっし、竹中さやか(Theatre劇団子)、坪田后加(劇団BDP)、本郷裕美、 丸山ちな都、箕輪菜穂江、杉本仕主也 【スタッフ】 舞台監督: 林大介、山本愛 照明: 佐瀬三恵子 音響: 杉山碧 映像: 練生川真理 宣伝美術: 稲垣佳奈美 ダンス振付: 宇津味彩 歌唱指導: 縣政愛 【日程】 2014年2月26日(木)〜3月2日(日) 【会場】 日暮里d-倉庫 【チケット料金】 前売 3,000円 当日 3,500円 初日・平日昼割 2500円 【公式サイト】 http://www.ssp2009.com/top.html ========================================== 営業の仕事が冴えない主人公。 自分の不甲斐なさに嫌気がさしていたところに謎の男が現れ、 その手により主人公は異世界にワープしてしまう。 ワープした先は剣と魔法で戦う世界。 主人公は救世主と称され、出会った仲間とともにいろんなトラブルを解決していく。 その中で、現実世界と異世界にドッペルゲンガーのようにそれぞれ別の人間がいることを知る。 仲間の死を乗り越えてながらも敵を倒し、現実世界に帰ってきた主人公。 異世界で行動を共にした仲間(の別の人間)と現実で再開し大団円。 だいたいこんな感じのお話。 上演時間は2時間20分くらいだったかな。 とりあえず冗長な部分が多すぎて、 とてつもなく体感時間が長いなと思った。 歌あり、ダンスあり、アクションあり、 さらには人体の不思議をテーマにした暗示のコーナーあり。 ストーリーも主軸以外に小粒なエピソードが多過ぎ。 これらが見事に絡み合っているのなら良いのだが、どれも独立してる印象。 ブツ切りのひたすら長いパフォーマンスに、見てる側としては飽食気味になってしまった。 見せたいものをもっと選定して絞り、2時間程度に収められていたなら もっとスカッと見れると思うのだが。 あと主人公が成長していく姿を描いている作品なのに、 途中でテレパシー慣れしてないという理由で うまく会話できないように描写をするのはもったいなかったと思う。 なんというか、見た目として知的障害者のように見えるのだ(例えのチョイスが悪かったらすいません)。 その後ハキハキしゃべれるようになった主人公は 現実世界でのネガティブさの名残のない異常にハイテンションなお祭り男に。 冒頭の落ちこぼれから、片言しゃべりの知的障害者に、そしてハイテンションお祭り男、 その流れは主人公の成長というよりは、ただの多重人格者にしか見えない。 観ていてとても共感できる存在には成り得なかった。 (それ以降からの心情の流れは良いのだけども) 「希望を持って立ち上がり可能性を信じて突き進め」的な 前向きなスローガンを掲げた作風は嫌いじゃない。 ただ、これは王道であり、ベタでもあり、言い方を変えれば「ありきたり」「安直」とも言う。 「ありきたり」や「安直」と思われないためには、突き抜けたクオリティを提示するしかない。 厳しい言い方をすると、現状「可能性を信じて突き進んで結果が出た作品」とは言い難い。 脚本や演出の点で首をかしげる部分は多いし、役者の演技力も総じて低め。 やっていることの説得力を出すためにも、もっともっと上のクオリティを追求してほしいと思った。 次に期待。