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人衣企画プロデュース公演 「やっぱりカフェが好き」 @ラゾーナ川崎プラザソル 2012/05/27
※本文中に激しくネタバレ含みます!
上演中の公演についてこれから観劇予定の方は閲覧ご遠慮ください。
人衣企画プロデュース公演
「やっぱりカフェが好き」
2012/05/27更新 ≪ラゾーナ川崎プラザソル≫ ≪人衣企画≫ ≪2012/05≫
人衣企画プロデュース公演 「やっぱりカフェが好き」 【脚本】 江頭美智留(劇団クロックガールズ) 【演出】 高坂雄貴(いと、まほろば) 【キャスト】 青木 梨乃、安藤 友美、大嶋 伸治、大貫 真代、大山 武史、岡本 伊津美、小田 直輝、葛西 祥太、 斉藤 慎介、齋藤 弘樹、坂本 大河、佐々木 義紀、里見 駿、佐山 知範、銀 元太、高橋 良行、 殿 あまね、永田 瑛、長井 鈴菜、根本 玲那、馬場 日菜子、廣田 亜也加、藤原 理恵子、 美川 奈穂、宮内 結、守屋 惠美、山藤 桃子 【日程】 2012年5月 23日(水)19:00【\(^o^)/】 24日(木)19:00【/(^o^)\】 25日(金)14:00【\(^o^)/】19:00【/(^o^)\】 26日(土)13:00【/(^o^)\】18:00【\(^o^)/】 27日(日)13:00【\(^o^)/】18:00【/(^o^)\】 【場所】 ラゾーナ川崎プラザソル 【チケット】 前売 3,000円 当日 3,500円 両チーム通しチケット 5,000円 ============================ 川崎にありながらも見栄で「カフェ代官山」と名乗る喫茶店。 店内はいつもガラガラで閑古鳥状態。 そんな状況を打開すべくマスターとバイト君が斬新な喫茶店のアイデアを捻出する。 それらのアイデアひとつひとつをオムニバス形式で短編構成的に繰り広げていく。 韓流ドラマなりきり喫茶、お見合い喫茶、擬似家族喫茶などなど。 最終話ではカフェに関わった人々が全員集合して閉店パーティーを行うが、 劇団喫茶ならぬ、喫茶店劇団を立ち上げることになって、めでたしめでたし。 脚本はかの「ごくせん」や「1リットルの涙」を手がけた江頭美智留氏。 期待が持てるかと思っての観劇だったが見事にカウンターパンチを喰らってしまった。 いくらなんでもクオリティが低すぎる。 まずは脚本に関して。 短編構成にしたのは効果的でなかったのではないだろうか。 さびれた喫茶店を盛り上げるために試行錯誤していくメインテーマがあるにも関わらず、 それぞれの話は完全に独立していてほとんど結びつかず、 全話に通して登場する店長達も人間的成長もしなければ人間関係の発展も見受けられない。 そもそもお店のためのアイデアの試行錯誤も真剣にやっている感が薄く、 見ていてちっとも共感できないのだ。 最後に登場人物全員出して、「なんだかうまくまとまりました、チャンチャン♪」では あまりにお粗末な展開だと思う。 唯一、話として比較的まとまっていた家族喫茶の話をもっと膨らませて、 1本の90分芝居を作ったほうが良かったのでは? 次に演出面。 演劇のセオリーを破ったかなり破天荒な演出だった。 現代劇にも関わらず、当たり前のようにイロモノが多数登場するのだ。 冒頭ではGガンダムの司会の人を模したキャラクターが語り、 ダンボール製の地獄大使、ダンボール製の巨神兵とクシャナなんかも出てくる。 小ネタでは聖闘士星矢ぶっとび、プリキュア、ライダーキック、ワンダースワンなど アニメやゲーム寄りの嗜好が見えるものが非常に多かった。 とにかく小ネタ満載で、小ネタ見せるために脚本にストーリー足してると思われる部分も多数。 個人的にはセオリー破りの作品は見慣れているし、好きでもある。 しかしセオリーを破るなら、セオリーを破るだけの「何か」が必須である。 その「何か」というのは、例えば底抜けに面白いとか、度肝を抜かれるとか、何でも良いのだが、 この作品に関して言えば、そういった惹かれる要素は全くなし。 ただ「セオリーを破っただけ」で終わってしまっているのだ。 これではお客はただ引いてしまうだけである。 そして役者面。 オーディションで集めたらしいが、技術レベルが低い役者が多すぎる。 30人近くキャストがいて、見れる演技をする役者がたった数人というのは正直キツイ。 セリフは叫び声的な聞き取り辛いトーンを多用する人が多く、 単語の立て方、相手との距離の取り方など、見ていて気になる部分が盛り沢山。 あと、とにかく止まってしゃべれない役者の多さにびっくりした。 テンションと自分の感情に任せて気持ち良く演技していて、 それが他からどう見えているかを自覚できていないのがよくわかる演技。 役者として当たり前の技術があまりに備わっていなくて、 セオリー破るどころかセオリーさえできねぇんじゃねぇかテメェと言いたくなる。 (↑言い方汚いけど自分が感じた率直な感想です) 最後に制作面で1点。 この公演はダブルチームなのだが、そのチーム表記がコレ。 【\(^o^)/】【/(^o^)\】 読めないし間違えろと言わんばかりに似た表記になっている。 脚本、演出、企画、いったいどの部署が発案したの知らないが、 制作はこれGoサイン出しちゃダメじゃない? しかも後になって初めてこの表記の読み方がわかったが、 【\(^o^)/】ナンテコッタバージョン 【/(^o^)\】オワタバージョン というらしい。 これは劇場に設置されていた看板と、前説・後説でしか知らされない。 公式HPにもビラにも当パンにも記載されていないのだ。 いくらなんでもそれはお粗末だろう。 この人衣企画は今回が旗揚げだったらしいが、 いったい何を目指した企画だったのだろう? 正統派ドラマで名の通った脚本家を使い、 自分の嗜好ゴリ押しのコントを作る演出家を使い、 まだ実力の伴っていない若手役者を大勢使い、 誰に何を見せたかったのだろう。 失礼な言い方だが、企画として二回目があるとはとても思えない。 企画サイドがこの公演を本心でどう考えているのか。 機会があるなら聞いてみたいものだ。