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零’sRecord企画 第1弾 「居酒屋三ツ星」 @北池袋 新生館シアター 2013/07/07
※本文中に激しくネタバレ含みます!
上演中の公演についてこれから観劇予定の方は閲覧ご遠慮ください。
零’sRecord企画 第1弾
「居酒屋三ツ星」
2013/07/07更新 ≪北池袋 新生館シアター≫ ≪零’sRecord企画≫ ≪2013/07≫
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零’sRecord企画 第1弾 「居酒屋三ツ星」 【原作】 林大介 【脚色・演出】 荒木太朗 【キャスト】 赤沼正一、高山かな、根岸涼史、荒井晃恵、坂入翔威、本田和大 【日程】 2013年7月3日(水)〜7日(日) 【会場】 北池袋 新生館シアター 【チケット料金】 前売 3,000円 当日 3,500円 【公式HP】 http://srecord.webnode.jp/%e9%9b%b6%e2%80%99s-produce/ ========================================== 気さくなマスターが一人で経営している居酒屋「Matilda」。 そこにはぐーたらな役者の卵であるマサとカズ、 マスターの旧友の三村などが入り浸っていた。 ある日、そのMatildaの二軒隣の寿司屋が ミシュランの三ツ星を取得したという記事がフランスの新聞に掲載される。 しかしその写真には紛らわしくMatildaの看板が写りこんでいた。 新聞の写真を見たテレビ局のリポーター大竹は、 Matildaが三ツ星を獲得したものと勘違いしたまま取材に訪れる。 そこでマスターのやさしさに触れた大竹は、 無断でグルメリポート番組内でMatildaの宣伝をしてしまう。 店は大繁盛。 マスターに恩がある演歌歌手・宇田川ヒカルの協力もあり、 なんとか押し寄せる大量のお客をさばいて閉店時間となったMatildaで、 マスターの過去を知ることになる。 マスターが舞台監督であったこと、 兄貴分であった舞台監督の病死、 その意志を継いで役者のためのお店を続けていること。 自分の夢を追わずに人の夢ばかり応援することに納得がいかない皆は 一芝居打って、マスターに自分達の思いをぶつける。 そして彼らはそれぞれの道を前を向いて歩き出す。 なんだかうまくまとめられなかったけども、だいたいこんな筋のお話。 うーん、全体的には別に悪くなかったし、 大きなアラも目立たなかったのだが・・・ 90分の芝居のわりにはちょっと退屈で長く感じてしまった。 前半がとにかく話が展開しなくてちょっとタルいなって印象。 そして後半は、大事なストーリーの主軸を全て長ゼリフで説明し過ぎていて、 『物語を観ている』というよりは『物語を聞かされている』という感じがした。 劇中でこういう時間が長いと観ていてゲンナリしてしまう。 物語が王道のベタ展開で先が読みやすいということも悪い方に手伝ってしまい、 次の展開にあまりワクワクできず、 強い興味心を保ったまま最後まで観劇することができなかった。 あと役者の会話スキルが微妙? テキスト的には面白い内容をしゃべってるのに、 会話のキャッチボールがうまくいってなくて笑えないって部分が結構あった。 こういうのは単純にもったいない。 それと細かい部分だが、盛り上がり方が汚いのも残念に思った。 店内でみんなでワーッと盛り上がるシーン。 普通は登場人物が笑顔で楽しい気持ちを分かち合ってる瞬間というのは、 観ているお客側にとっても気持ちの良いものになるはずなのだが、 チェーン系居酒屋で下品な笑い声でバカ騒ぎする大学生的雰囲気になっていて、 観ていて好感の持てない盛り上がり方になってしまっていた。 こういった些細な部分でお客との距離をあけてしまうと、 後半の感動を与えるべきシーンで共感を得難くなってしまう。 第1回公演ということで色んな部分に実験的な部分もあったであろうが、 もっともっと計算高く、大胆に作品を作ってほしいなと思った。 今回の作品はキレイにまとめようとして良くない方向にいっている気がしたので。 今後に期待。 P.S. パンフレットの中で「居酒屋の思い出」というテーマで各役者が文章を書いていたのだが、 ひとつこれ致命的にマズイでしょう、というのがあった。 人として、社会通念として。 その文章は「お酒って怖いですね」で締めていたが、ソレ怖いのはお酒じゃないよ。 本人以外でも誰かしら校正・チェックをしてる人いたはずだよね? 学生のツイッターじゃないんだから、こういう脇の甘さは気をつけるべきだと思う。