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劇団離風霊船 リブレプロデュース#5 「超特急夫婦」 @下北沢 シアター711 2013/11/16
※本文中に激しくネタバレ含みます!
上演中の公演についてこれから観劇予定の方は閲覧ご遠慮ください。
劇団離風霊船 リブレプロデュース#5
「超特急夫婦」
2013/11/16更新 ≪下北沢 シアター711≫ ≪劇団離風霊船≫ ≪2013/11≫
劇団離風霊船 リブレプロデュース#5 「超特急夫婦」 【作】 故林広志 【演出】 松戸俊二 【キャスト】 倉林えみ、大塚あかね、角島美緒、江頭一晃、瀬戸純哉、柳一至、栗林みーこ、松戸俊二、伊東由美子 【スタッフ】 舞台監督: 青木睦夫 照明: 川俣美也、塚原佑梨 音響: 飯嶋智 美術: 鳥谷部紀江 振付: 長橋佳奈 衣装協力: 安藤祥子 舞台製作: 小林裕忠、橋本直樹、竹下知雄 宣伝美術: verabo 制作: 落合直子 【日程】 2013年11月12日(火)〜11月17日(日) 【会場】 下北沢シアター711 【チケット料金】 指定席 3,800円 自由席 3,500円 学割 3,300円 【公式HP】 http://www.libresen.com/nextplay.html ========================================== 網子夫婦を中心にしたドタバタ騒ぎを、 その娘が回想する形でストーリーが進行する。 夫・網子仁は究極の楽観主義者で「大丈夫!」が口癖の男。 妻・網子恵はそんな夫に絶対の信頼を寄せていた。 しかし、仁が急に体を鍛え出したり、 最近不自然に出張が多かったり、 彼の上着のポケットからホテルの2人分の領収書が出てきたり。 仁の浮気疑惑が浮上したため、恵は家を出てしまう。 しかし仁は恵の家出さえ気にせず、何のアクションも起こさない。 自分の家出に何の反応もない仁にやきもきする恵。 恵の家出先は、すぐ近所の自分が管理人を勤めるボロアパート。 そこには家賃を滞納している冴えない男3人組が住んでいた。 家賃免除を条件に彼らの協力を得た恵は、狂言誘拐を仕掛けることを思いつく。 しかし仁は脅迫電話にさえ何の反応も返さなかった。 一方仁は、出張先のホテルにいた。 そこには同じ鉄道会社の同僚の来栖という女性も一緒に。 一見すると浮気現場のシチュエーションそのものであったが、 フタをあけてみれば、それらは全て会長の娘・皿戸のいたずらによるものだった。 そんなことも知らない恵たちは、 アパートの一室をまるでアマゾンのジャングルのように改装し、 その写真を仁に送って、自分がアマゾンへ行ってしまったように偽装を仕掛ける。 そんなときに仁の潔白が判明。 恵は仁が自分を追ってアマゾンへ向かったと思ってしまい、空港へ急ぐ。 恵と入れ違いでアパートにやってきた仁。 「大丈夫・・・じゃない!」と初めて焦りを見せた仁は、皆と一緒に恵を追う。 アマゾン行きの飛行機の機内の中でお互いを見つける仁と恵。 大団円。 ざっくり書くとそんな感じのお話。 上演時間は1時間40分ぐらいだったかな? ごめん、終演後に時計見るの忘れてたが大体それぐらいだったはず。 一言で感想を言うと、伊東由美子劇場だったな、と。 序盤、シュールな夫婦の空気感は良かったのだが、 盛り込まれているネタがとにかく質が低く、 笑うに笑えない時間がしばらく続いた。 コント作家の脚本って前情報を持っていたので もう少し笑える本を期待していたのだが。 そこに登場した、伊東由美子演じる会長の娘・皿戸。 破天荒なキャラ設定を利用して伸び伸びと舞台上で遊びまくる伊東に、 お客はそれまでのフラストレーションを解放して大笑い。 看板女優ってやつは流石だなと思った。 もちろん最初から伊東の登場を心待ちにしていたファンが多いってこともあるが、 彼女が登場してからの客席の温度の上がり方は尋常じゃない。 「彼女なら何か仕掛けてくる」「一挙一動を見逃すまい」と注視するから、 自然にストーリーそのものにも深くのめり込んでいくことになる。 伊東が登場してからは客席が温まり、役者も余計な緊張がなくなったのか、 全体的に普通に面白く見れた。 まぁ、それでも伊東がいるシーンといないシーンの差は顕著だったけれども。 欲を言うと、ラストのダンス的な動きはもうちょっとクオリティ高いものがほしかったかな。 「おもしろく」はあったのだが、残念ながら「すごく」はなかった。 ああいう部分で「うおぉぉっ!!」ってぐらいものを見せつけてくれると、 お客は前半のタルかった部分なんか綺麗さっぱり忘れ、すごい作品だったと感想を抱いてくれる。 「終わり良ければ」って思考も単純だけど、まぁ、芝居ってそんなもんだったりもする(笑) あと目を引いたのは見事な転換。 夫婦宅、ホテル、アパートへの転換は大掛かりなのに非常に素早く、 さらには短時間の暗転で、作り込まれたジャングルのセットが突如現れたりする。 こういう職人芸を見せられるとテンション上がるね。 今回、外部のコント作家の脚本ってこともあったのか 笑い部分に関してはちょっとちぐはぐな印象もあったが、 30年前線で走り続けている老舗劇団、地力の高さはさすがだなと思った。 次に期待。