<更新記録>
劇団SSP 「Up With Future 〜Synchronizer〜」 @日暮里 d-倉庫 2014/02/26
劇団PEOPLE PURPLE 「サヨナラの物語」 @新宿シアターモリエール 2014/01/26
MS2 「ダイヤモンドダスト・ドリーム」 @中野ザ・ポケット 2014/01/07
セブンスキャッスル 「人狼 ザ・ライブプレイングシアター #08:MISSION The Castle Job」 @上野ストアハウス 2013/12/30
9-States 「それなりにハッピー」 @下北沢 OFF・OFFシアター 2013/12/27
梅パン 「いなづま」 @池袋シアターグリーン BASE THEATER 2013/12/23
ネコ脱出 「人生快速」 @下北沢 「劇」小劇場 2013/12/22
メガロザ 「靴下にカミソリ」 @新宿タイニイアリス 2013/12/20
※本文中に激しくネタバレ含みます!
上演中の公演についてこれから観劇予定の方は閲覧ご遠慮ください。
劇団熱血天使 第7回公演
「一筆入魂 締切追うもの、追われるもの」
2013/04/21更新 ≪八幡山ワーサルシアター≫ ≪劇団熱血天使≫ ≪2013/04≫
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劇団熱血天使 第7回公演 「一筆入魂 締切追うもの、追われるもの」 【作】 水谷暖人 【演出】 高橋祐介 【キャスト】 大坂真璃子、金澤洋之、菅沼萌恵、鈴木紀進、大柿誠、 北川瞬((株)SPARK)、菅沼哲、高山史也、田山楽、丹呉麻里江 水口早香、三橋忠史(ダブルアップエンタテインメント)、宮尾知里 吉田彩花 【日程】 2013年4月17日(水)〜21日(日) 【会場】 八幡山ワーサルシアター 【チケット料金】 一般 \3000 学生 \2800 平日割・初日割 一般2,800/学生2,500 【公式HP】 http://ameblo.jp/nekketsu-tenshi/ ========================== 芥川龍之介が新思潮を刊行する1914年前後のお話。 創作に対しての芥川、菊池、久米、松岡らのそれぞれの想い、 彼らに関わる編集者や婚約者、妻の想い、 それらをうまく絡めた人間ドラマを 「無名作家達の一日」、「或る求婚者の話」、「締切戦争」、「話の育て方」の 4本立てのオムニバスで上演している。 チラシやパンフにはオムニバスと書いてあったが、 実際にはこの4つの話に出てくる登場人物は共通で、時系列もそのまま並んでいるところから、 4場構成の1つの演劇作品といったほうがいいかもしれない。 1話目は、書きたい作品と売れる作品との確執、 そしてその才能に悩む若者たちの話。 2話目は、友人の婚約者に執拗に言い寄られる作家のドタバタ劇。 3話目は、締め切りに終われる作家を囲む編集者達と妻とファンの、 これまた多人数型のドタバタ劇。 4話目は、自分の才能がなかなか認められず作家の道をくじけそうになっている若者を 珈琲店の女将が叱咤激励する話。 個人的には2話目のコントチックなおもしろおかしいやりとりが好きだった。 登場する3人の役者はどれも個性的でおもしろく、 ボケとツッコミのテンポの良さは非常に秀逸で、大いに笑わせてもらった。 作品としてのまとまりが一番良かったのは3話目かな。 締め切りを守らせつつも作家を持ち上げたり、作家の将来を考えたりしている編集者達、 作家の一ファンで、その作家をダメにしないためにいろんな努力をみせる女性、 作家の妻という立場のおかげで締め切り前のドタバタ騒動に巻き込まれている奥さんの心情。 そしてアイデア不足に悩み苦しむ作家本人。 たぶん、観ていたお客さんも実際に登場人物のどれかに近い立場で仕事をしていると思うので、 どこかのポジションに感情移入できたのではなかろうか。 1話目は正直イマイチ。 会話劇なのに妙に元気にハキハキと声を張り上げる役者が多くてちょっとゲンナリしてしまった。 登場人物が沢山いたわりには引っ張れる役者は不在で、 お客を惹きつけなければいけない1話目としては残念な仕上がりに感じてしまった。 4話目は珈琲店の女将の安定した演技力に支えられて すっきりとまとまっていた。 登場人物の役割とキャラ立てがしっかりしていたせいもあるだろう。 見やすいし、話的にもしんみりと心に染み込んでくる良いお話。 全話通して全体的にみれば、しっかりと作られていてテンポもよくて 素直に楽しめる作品だったと思う。 ちょっとだけ気になったのは「一筆入魂」というタイトル。 最後の話のまとめを平たく言うと、 「苦しいことをなぜ続けることができるのか、それは今日だけはがんばるを毎日続ける」 といった旨の内容だったのだが(ちょっと平た過ぎる言い方で語弊がありそうだが) 自分が持っている「一筆入魂」という単語のイメージとはちょっと遠い気がした。 その点だけ観劇後に違和感として残っちゃったかな。 しっかりとした地力のある集団だと思った。 次の公演も楽しみにしたい。